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再チャレンジ成功までの記録(3.具体的な学習方法・総論)

*長文なので注意してください
*正直に書いているので、恥ずかしいことも書いてある一方、不快に思われる表現・内容が入っているかもしれませんが、ご理解ください。また、試験に関する分析などはすべて私見なので正確性は保証できません。内容について信じるも信じないも自由です
*個人的には、自分のことを直接知っている人に生で話を聞くのが一番ためになると思っています。自分に合った勉強法を見つけるには、自分のことをよく知っていて、客観的に見てくれる人のアドバイスが有益だからです


3.具体的な学習方法(総論)

3.1 学習の基本方針
基本を固めるという目標のためには、継続して勉強するという当たり前のことをきちんとやる必要があります。僕はこれまでそういう継続的な学習ができていなかったので、そういう習慣を作ることが第一だと考えました。

そのための方法としては、日々の目標をきちんと決めるという典型的な方法を実践しました。目標の立て方として気をつけたのは、(1)勉強時間ベースではなくやるべきことベースで目標を立てること、(2)一日ごとに細かく定めるのではなく期間を設けて柔軟にやること、の2点です。

(1)については、きちんと勉強するということと時間をかけるということは別物で、時間目標にこだわると時間ばかり気にして中身がおろそかになりがちだと考えたからです。また、僕は反復的な学習を長時間できる性格ではないように感じたので、長さではなく質(中身)を重視して勉強するのがよいだろうという判断もありました。
(2)については、目標を立てるのが目的になってはいけないからあまり神経質になってもしょうがないというのと、やはり日々の気分などで勉強に乗ってくるときとそうでないときがあることは否めないので、そのあたりを調整しながらやっていけるようにしようという意図によります。

これらに従い、とりあえず年内(2009年)の最低限目標としては、7科目+選択科目のまとめノートを一通り作ること、事例演習民事法・憲法・行政法を全部片付けること、短答の問題集を1周解きなおすことの3つを定めました。そこから考えると、だいたい10日で1科目ノートまとめを行い、事例演習は1日1~2問、短答問題集は1日100問くらいといった感じで、勝手に日々のだいたいのノルマが決まっていきます。
結果としては、勉強していた時間は、おそらく平均すると1日5~6時間くらいだと思います。その他、何となく基本書を眺めたりする時間も多少ありました。これを多いと見るか少ないと見るかは人によるでしょうが、少なくとも僕のこれまでの過ごし方からすると結構な量になります。ただ、ストイックだったとか、猛勉強したというイメージでないことは確かです。
これ以上学習量を増やすことも不可能ではなかったでしょうが、無理なくやることが最終的な結果につながると思うので、サボるのではなく、かといって焦るのではなく、淡々と自分の決めたノルマを守って、それをこなしたら息抜きもするといったスタイルで日々を過ごしていました。これは、前に書いた「上位合格を目指さない」という一種の割り切りからもきていて、無理なく試験までを目指すことが合格に向けて一番安定するだろうという判断をしています。実際、合格した友人の多くは、勉強もしっかりやってはいたものの、それなりにゆとりをもって過ごしていたように思います。

継続的な学習を行うにあたっては、このブログも大いに役立ちました。このブログを立ち上げたのは、日々の勉強記録を残すことで動機づけにしようということでした。最初は単純な記録として自分だけのために書いていたのですが、少ないながら読者がいらっしゃるということを知ってからは、読者の方々に恥じないように学習しなければという気持ちを持つことができました。その意味で、読者の皆さまには大いに助けられました。

学習内容については、とにかく基礎を固めるということに集中しました。これは2つの意味があって、第一に「まずはみんながやっていそうな教材を押さえること」、第二に「難しすぎる内容は適宜切り捨てていくこと」に気をつけました。理由は不合格原因の分析で述べたとおりです。
特に気を付けたのは、第二の部分です。後で触れる勉強会などでは、法律的に難解な論点が議論になったりもしますが、そこで法律論を詰めるのではなく、そうやったら無難に処理できるかという観点で学習するように心がけ、マニアックな学説はとりあえず脇に置くことにしました。実は、このように割り切った方が、結果として難しい論点への理解も深まるようにも思います。
教材選択については、後で科目ごとに記しておきます。

3.2 主な学習内容
§1 論文用のインプット
まずは昨年落ちた原因である論文対策からはじめました。最初にすべきことは、全科目を体系的に学びなおすということです。今思えば冗談のようなことですが、不合格だった一度目の受験に際しては、全科目について頭からしっかり勉強していくということはなく、定期試験対策で細切れに勉強していたり、気まぐれに基本書を読んだりしただけだったので、ムラのない理解とは程遠い状況にありました。

そのための方法としては、先輩の薦めもあって、各科目のまとめノートを作成する方法を採りました。この方法のよいところは、情報を集約することでその後ずっと使える教材ができあがるということもさることながら、まとめを作るためには最初から最後まで体系的に内容を押さえる必要があり、したがってまとめノートの作成自体が科目全体の復習になるということです。
というわけで、あまりに量が多かった民法を除いて(これはまぁ言ってしまえば妥協です…)すべての科目で、基本書の要約に近い形でまとめ作業を行うことになりました。詳しくは科目別の学習内容として後で述べますが、この作業はとても勉強になりました。大切なことは「自分でまとめる」ということです。実はそんなに大変な作業でもないので、自分の普段の学習に自信がない人は是非一度やってみてはどうでしょうか。普段からコツコツ勉強できている人は、こういう作業がなくても別の形でまんべんなく勉強できているのでしょうけど。

論文対策としてのインプットは、ほとんどがまとめノートによるものでした。演習書などから適宜よさそうな解説などを拾ってきてノートに織り込んだりもしていますが、とにかく基本的な論点を押さえるということに注力しています。年明け以降は、論文向けインプットはまとめノートの通読と百選などの判例回しがほとんどでした。結果的には、まとめノートの内容だけで本試験はほとんど対応できたと感じています。

§2 論文用のアウトプット
論文対策のもう一つの要は、アウトプットの練習です。ここでは、独りよがりの答案を書かないこと、みんなが書きそうなことに的を絞ることを中心にしています。

最初のうちは、文章力が危なかったのではないかということで、事例演習の問題を普通に書いていました。その後、自分の弱点が別のところにあると分析した以降は、フルで書くのは時間配分などのトレーニング用にとどめ、多くの問題について答案構成の作成にとどめることでこなす数を増やす方向にシフトしました。
答案構成のポイントは、自分がきちんと論点を拾えているか、余計なことを書いていないかということのチェックです。もちろん、形式的に論点に触れているかどうかではなく、適切な形で法解釈や事実評価をしているかということも重要ですので、答案構成は毎回割と詳しくしています。実際に紙には書かないとしても、書くとしたらこういうことを書くかなぁ…というイメージをしてから、解説を読むようにしていました。

アウトプットの練習としては、後で触れる勉強会や予備校の答練も役立っています。これらの機会でも同様に、みんなが書きそうなことをきちんと書くという意識をもって取り組みました。そのおかげか、予備校答練では点数が割と安定していた気がします。

§3 短答対策
短答対策は正直好きではない作業だったので、正直追い込みが足りなかったと思います。
具体的にやったことは、短答問題集と肢別本を回し、間違えた肢をピックアップしてまとめ、それを覚えるという作業です。年明けはほとんど誤答肢まとめを読んで短答対策にしていました。
これのいいところは、問題を解くのはだるいけど、出題される可能性がそこそこ高くて、かつ他の受験生がやっている一般的な勉強を最低限抑えられるという点にあります。しかし、この方法だけでは、8割以上の得点を取りに行くのはちょっと不足していたように思います。

僕は短答については論文に精神上響かない出来が確保できれば良いと考えていたので、上述の対策にとどめましたが、問題集や肢別の傾向だけでは解けないような問題も出題されているように思われるので、そのあたりは地道に条文判例を読むべきでした。判例六法や条文判例本のようなものを読み込むということです。
判例六法については刑法の判例部分だけ読んでいましたが(これは有益)、条文判例をしっかり押さえれば全体的にもっと安定しただろうと思います。

僕は2回目受験なので短答についてはあまり問題視していませんでしたが、初めて受験されるかたは、まずは問題集なり肢別本なり過去問なりを各科目一冊こなして、短答でどういうことが聞かれるのかを体感したうえで、基本書や六法などを読んでいく作業に移るとよいかと思います。短答の切り口を知ってから条文などを読むと、見え方が違ってくるからです。あとは、どれだけ読むかということでしょう。やればやるだけ高得点に近づけるはずです…と友人は言っていました。8割以上の高得点を狙うという意味では、僕はちょっとやり足りなかったです。

3.3 勉強会
ひとりで勉強を続けるのは精神的にも大変だし、人と理解をすり合わせることで自分が変な方向に行くことを避ける必要があるだろうということで、勉強会を組めればよいと考えていました。そんな中、声をかけてくれる友人が何人かいたので、2つの勉強会に参加することになりました。

1つ目の勉強会は、新司論文の過去問を書いて検討するという勉強会でした。学部の同級生や、僕と同じく不合格だった人など、僕も含めて4人の勉強会です。答案検討だとこれ以上人が増えると大変かなぁという感じです。
具体的な内容としては、1週間に1回、事前に決めた年度の一法系について答案を作成してきて他の参加者に配り、読んだ上でひとりづつ感想などを述べつつ検討するという感じです。検討に当たっては、出題趣旨や優秀答案などを参照しつつ、法律論で外れている部分がないか、論点落ちがないか、構成や表現で分かりにくい点はないか、といったことを見ていきます。ここでも注意したのは、無駄に法律論で議論するのではなく、どうやって書けば効率的か、何を書くべきで何を省いてよいか、といった観点で見るということです。
この勉強会は、過去問演習のペースメーカーになり、一通り過去問をやったという自信につながったことと、人の答案を見る中でいろいろと参考になったということの2点で、勉強になりました。他の人の答案の良い部分が参考になる部分もあるし、逆にあまりよく書けていなかったり分かりにくかったりしたような部分を読むときでも、どうしてそう思うのかということを説明したりする中で、自分にとっての教訓を見つけることができます。自分の答案だとそういう見方がなかなかできないので、こういう経験は大切だと思います。もちろん、参加者から自分の答案に向けられるコメントも、たいへん参考になっています。

2つ目の勉強会は、演習本を解いてその答案を検討するものでした。これも学部の同級生でローの後輩に当たる友人や、僕と一緒に落ちてしまった友人の計4人で組んでいます。最初に『事例から刑法を考える』(島田聡一郎・小林憲太郎著、有斐閣)を一通り解き、次に『事例演習民事訴訟法』(遠藤賢治著、有斐閣)を終わらせています。
刑法の方では、週1回2つの問題について担当者を定め、担当者が参考答案を作成してきて、それを元に議論するという感じでした。解説が難しいということもありましたが、論点はかなり網羅できていて、答案にするにはどうすればよいかという観点からいろいろ議論ができてためになりました。文書偽造罪の答案構成方法とかは人の書き方を聞いたりする中で自分なりにイメージがつかめましたし、今年出題された過失犯の書き方についても、この勉強会でやっていたから書きやすかったです。
民訴については、参考答案方式をやめ、週1回3問くらいを解いていって検討するという感じでした(何問か関係なさそうな問題は省いている)。正直期待はずれ感のあった教材ですが、要件事実的な考え方も踏まえて基本概念から確認するよい機会になりました。人の答案を見ると自分では気づかなかった視点が見えるし、自分の答案について指摘を受けることで自分の弱点が分かります。そして何より、他の人に質問したり、質問に自分が答えたりする中で、単に知識として知っていた学説や処理方法について具体的にイメージし、理解を深めることができました。

結果としては、最初の勉強会では僕も含めて4人中3人が合格し、2つ目の勉強会では4人全員が合格していました。1人不合格が出たのは残念なことではありましたが、それでも全体としてお互いに力をつけることができた、意義ある勉強会だったのだろうと思います。前の年の勉強会も僕以外の受験者は合格していたのですが、僕は勉強会の成果をフィードバックできていませんでした。今年は勉強会自体に自分なりの目的意識を持っていましたし、勉強会で気づいたことをまとめノートに入れるなど、できるだけ形として残すことを意識していました。

3.4 予備校の答練
予備校の答案練習は、昨年に引き続いて辰巳の答練を第2クールから受けていました。これも答案を書く練習のためで、ここでも無難さを追求していきました。点数にばらつきが出ないようにするということを目指しており、前の年に比べれば得点は安定していました。

答練の問題の質についてはいろいろ議論があるようですが、本試験の水準を満たすような問題を作れるわけないので、最初からそのようなものは求めていません。試験終了後にバイトの募集があることからお分かりのように、問題を作っているのは受験生です。大学教授や弁護士が監修などはしているのでしょうけど。
大切なことは、少なくない受験生が同じ答練でトレーニングしているということであって、そこに何を求め、何を得るかというのは、結局のところ本人次第でしょう。

予備校の答練では、書きにくい処理パターンの問題があったときには、自分なりに処理方法を考えて整理したりしていました。また、単純な論点知識についても、解説を読んで納得できた部分はノートまとめに反映させたりしました。ただ、正直なところ学説が古い記述などもあるので、そのあたりはローの授業などで話されていたものを優先させています。試験委員(候補者)の言うことに従え、ということです。

再チャレンジ成功までの記録(2.不合格原因の分析)

発表後一段落して暇だったりするので、書きためた分を連続でアップしておきます。例によって大したことは書いてありません。

*長文なので注意してください
*正直に書いているので、恥ずかしいことも書いてある一方、不快に思われる表現・内容が入っているかもしれませんが、ご理解ください。また、試験に関する分析などはすべて私見なので正確性は保証できません。内容について信じるも信じないも自由です
*個人的には、自分のことを直接知っている人に生で話を聞くのが一番ためになると思っています。自分に合った勉強法を見つけるには、自分のことをよく知っていて、客観的に見てくれる人のアドバイスが有益だからです


2.不合格原因の分析

2.1 論文成績の検討
しばらくして論文の成績が届きました。結果はこちらでご案内の通り、総合でいうと僅差で落ちていたとはいえ、民事系と刑事系の不出来はどうしようもないもので、落ちて当然というべきものです。

僕の得点の特徴としては、公法系がなぜかよくできている一方、民事刑事が不出来である(特に刑事は分かっていたとはいえひどすぎる)というムラのある成績でした。
そのうち、できている方の科目である公法と知財に着目すると、これはどちらかというと他の受験生の勉強が相対的に進んでいない科目であることや、公法にいえるように論点知識そのものがあまり必要でないということから、勉強がおろそかでも勝負できてしまう(とはいえ点数がよかった理由には運のよさもあるだろうが…)という特徴があるように思います。他方、民事や刑事はみんな普通に勉強してくるし、基本的な論点の理解や知識の正確さ、処理パターンの確立などが求められる点で、勉強の積み重ねが必要な科目です。そういう科目で差をつけられているというのは、自分の準備が足りなかったということの表れなんだろうと考えました。

再現した答案も見直してみると、確かに民事と刑事では基本的な理解の欠如が答案に現れており、ウソを書くという悲惨なことになっていました。思い返すと、これらの科目では「どこかで見たことあるけどどうするんだっけ」といった迷いがあって、そこから焦って訳の分からないことを書き綴ったような気がしました。
というわけで、僕が次の受験までにすべきことは、基本的な知識や理解をきちんと定着させ、当たり前のことを当たり前に書けるようにするための対策だろうという結論にひとまず至りました。

2.2 友人への相談
しかし、これだけだと自分の独りよがりな分析になってしまう可能性があります。もしかしたら、知識や理解ではなく、文章力や事案分析のズレなどが問題になっているということもあるでしょう。それらの要素は、自分だけでは気づかないものです。

というわけで、基本が欠如しているという自分の仮説を裏付けるため、一緒に勉強会を組んでいたメンバーや昔からの友人、ローのクラスメイトなどに、僕に足りないものは何だろうと聞いてみることにしました。
文章の問題については、(このブログからも分かるかもしれませんが)一文が長かったり、難しい内容に入ると少し分かりにくくなるところがあるので、整理して書くとよいかもしれないという指摘がありました。確かに、あまり推敲せずに思ったことをざっと書いてしまう性格なので、そのあたりは問題だろうと納得しました。あと、字が小さく詰まっていたり汚かったりして読みにくいということも改めて指摘されました。答練で何度も「字が読めない」と指摘されていたので、それは覚悟してはいました(これは本試験でもまったく改善されていません…)。
そういう指摘はありましたが、普段から僕の答案を読んでもらっていた友人からは、文章力とか事案の把握力のようなもので落ちたという話ではなく、やはり勉強にムラがあったのではないかという意見がありました。他の友人も、僕の普段の姿を見ていたこともあり、受験対策を真剣にやる必要があるということを力説してくれました。

友人には上位合格者やその知り合いが多くいたので、どういうふうに勉強していたのかを聞いてみました。すると、みんな共通して言うのは、すごい答案を書く必要はないし、そんなものを目指して勉強する必要もないということでした。
特に印象に残ったのは、(失礼ですが)普段クラスで授業中あまり目立たなかった人が2桁順位をとっていたということです。その人の答案は法律論の内容についてはかなり淡白らしいのですが、その分とても読みやすい答案らしく、新司ではそういうものが評価されるのではないか…という伝聞情報でした。もちろんその人はその人なりのノウハウを確立していたはずで、それが評価されることは真っ当なことなのだとは思うのですが、少なくとも、学部やローの試験とは全く方向性が違うのだということは感じました。

その関係で指摘されたもう一つの問題は、僕が細かい論点にこだわったりしてバランスを失しがちだということです。理解していたかどうかは別として、法律論を展開することは割と好きなほうだったので、気になるとつい出題趣旨を意識せずに大展開してしまう…ということが、過去にも何度かありました。自分が書きたいことではなく、みんなが書きそうなこと、点数がつきそうなことを書くべきであって、自我を抑えろという、獣をあやすかのようなアドバイスをもらうことになりました。

別に僕の不合格原因が難しいことを書きすぎたからとかそういうわけではないのですが(分かってもいないのに変なことを書いただけです)、法律論で凝っても良い結果にならないというのは、何度も言われたことでした。有名なエピソードとして、憲法の助教になった優秀な方が、総合で見るとよい順位で合格しているものの、公法系では会心の出来の答案を書いたと思ったらひどい点数がついていたといった話があったりするようです。
そこまではいかないにせよ、求める方向性はシンプルで、みんなが書きそうなことをきちんと書く、ということに尽きるのだというイメージを持つことができました。繰り返し書くことになりますが、その後の勉強での僕のテーマは、ずっとこの「みんなが書きそうなことをきちんと書く」という点で一貫させていたつもりです。

なお、「みんなが書きそうなことをきちんと書く」ことで足りるという点については、それなりの裏づけもあるようです。これは伝聞なので証拠能力は保障しませんが、修習に行っている友人が今年(H22)の刑法について採点委員からぽろっと聞いた話によれば、今年の問題は因果関係が一つの山場ではあったが、予想以上に書いている人が少なかったので、配点の見直しがあったそうです。配点表は試験後に作り直すというのは前にも聞いたことがあるのですが、その配点も「みんなが書いているかどうか」を基準にしているらしい…ということです。もっとも、書けたほうがいいのは言うまでもないことでしょうけど。

2.3 上位答案の分析
最後に、実際に上位合格した人の答案をきちんと研究しようということで、出版されている上位答案集や、上位者が書いた答案を個人的にもらったものを読んでみました。

上位答案については前の年にも勉強会で読んだことがあり、そのときには形式の丁寧さなどに感心しつつも法律論のアラが気になってしまい、こんなものなのかなぁという生意気な感想を抱いてしまっていました。
しかし、上述のような反省のうえで読み直すと、細かい部分の議論の不備はむしろどうでもよくて、満遍なく論点を拾えている点や、コンパクトに議論できている点などが素晴らしいと感じました。これは推測に過ぎませんが、上位合格者の中でも特に優秀な方の答案の場合、書けるけど書かなかった部分というのも一定程度あるように思います。そのあたりのチョイスが絶妙というか、みんなが書きそうなことを一通り論じて、一つ二つ出題趣旨との関係で踏み込んだ考察がされているにとどまってはいるのですが、総合すると書けそうで書けない答案になっているという感がありました。実際、一発勝負の制限時間内でこれだけの内容を書くのは、大変なことです。

こうして読み直してみると、論文試験で評価されるのは無難な議論をきちんと積み重ねて展開している答案であるということを再確認することができました。
新司法試験というのは2000人が合格する試験であり、また実務家登用試験である以上、その本質は「特殊な才能」ではなく「実務に必要な基礎理解+処理能力」を測るところにあるはずです。そもそも天才は数が少ないのがその特徴であって…と、刑法の某教授がよく言っているのですが、それは司法試験でも当てはまることで、自分が目指すべきは、淡々と基本理解を示していく答案なのだということだと確信した次第です。本番の極限状況下で、限られた時間の中で答案を作成していくという条件を考え合わせても、それ以上の答案を作りに行くことはなかなかできないし、また逆に「基本」を論じるだけでも十二分に大変なことなのだということに気づくことができました。

2.4 不合格の原因とその対策のまとめ
以上のような過程を経て、自分が不合格だった理由は、(1)勉強不足のために基本的な理解が欠けていたこと、(2)そのため「普通に書くべきこと」が分からず、自分が書きたいことを勝手に書き連ねる独りよがりの答案になっていたこと、の2つが主なものだという結論に至りました。そうなると、あとはこれを修正するだけです。

とはいえ、これは容易なことではありません。基本理解と一口に言っても、その量はそれなりにあります。答案作成上のくせについても、自分を抑えて答案を書くということはこれまでやってこなかったことであり、ある程度意識してトレーニングしないとうまくいかない可能性が高いことは明らかでした。
というわけで、基本理解を定着させること、そしてその範囲で淡々と無難な答案を仕上げていく技術・心構えの習得という2つを目標として、そのための勉強を進めることにしました。

この段階で、僕の目標は「上位合格」ではなく「少しでも合格の確率を高める」ということに固まっています。上位合格を目指すことと合格確率をあげることはかなりの部分で重なるとは思いますが、上位合格という変な目標を立ててしまうと、かえって上記2つの目標からそれたことをしてしまうのではないかという気がしたからです。むしろ、書けそうな論点や気になる部分があっても、時間がかかりそうだったら割り切って省いて先に進むという方針で答案を書こうと心に決めていましたし、それでも平均以上の答案になるくらい基礎的な力をつけるのが勉強の目的なのだと考えました。
昨年度の失敗は、「これまで何とかなってたし、今度も何とかなるだろう」という認識の甘さがその根底にありました。これを払拭するためにも、自分は上位合格を目指すとかそういう立場にあるのではなく、何も分かってないダメ受験生なのだという認識からスタートするよう自分に言い聞かせました。とにかく人並みのことができる実力に達して、何が何でも次に受かるという意気込みです。
そのために、合格に比べれば飾りでしかない順位を目標にするのではなく、確実に合格する1000人くらいの枠に安定して入っていける自分を目標にするというイメージで勉強を進めることにしました。性格上どうしてもどこかで「よいことを書いてホームランを」みたいな欲が出てきてしまうのですが、それは少なくとも再チャレンジ中の自分には許されないことなのだと、本試験の前にも自分に言い聞かせていました。

というわけで、具体的な得点のイメージとしては、特に穴のあった民事刑事について、各科目50点が平均的答案ということで、それより少し良く書けた55点平均くらいの答案が常に書けるような状態を理想にして考えていました。全科目それだけ書ければ500位くらいにはなりそうなので、現実的でもあり、また十分高い目標だと考えていました。失敗の中でもよく出来た公法と選択は、今度は運ではなく確実に同じくらいの点数+αを取れるように抜かりなくやるというのが目標でした。
実際の結果を見ると、ほとんどその通りの成績がついていました。まぁ無難と言ってしまえばそれまでですが、自分のやってきたことの正しさが実証されたようで、その点ではとても満足しています。

再チャレンジ成功までの記録(1.不合格に至るまで)

成績表が返ってきたので、これを受けて、今年合格に至ることができた理由を自分なりに考えて書き残しておくことにします。
といっても、受験に向けてやるべきことは人によって違うと思いますので、僕ができるのは「自分がどういう理由で、どういう勉強をしてきたか」ということを、淡々と書くことだけです。普通に勉強してきただけなので、特別なことを書くことはできないし、またそのつもりもないので、面白くもなければ参考にもならないかもしれません。そういうものだと思ってお読みいただければ幸いです。

*長文なので注意してください
*正直に書いているので、恥ずかしいことも書いてある一方、不快に思われる表現・内容が入っているかもしれませんが、ご理解ください。また、内容について信じるも信じないも自由です。後で書きますが、個人的には、自分が直接知っている人に生で話を聞くのが一番ためになると思っています

1.不合格に至るまで
どういう人間の勉強記録であるかを書かないことには参考にならないと思いますので、最初に新司法試験までの自分の取り組み方、というか、いかにダメな受験生だったかを書いておきます。経歴なども割と明らかにしているため、読む人が読むと誰か特定できてしまうと思いますが、そのへんは無粋なことをせずにスルーしてもらえるとうれしいです。あんまり変なことになると消さないといけなくなったりしそうなので…(まぁ、そうなっても困る人は僕だけなのかもしれませんが)

1.1 新司法試験不合格までの軌跡
§1 大学
某地方公立高校から東京大学文科Ⅰ類に入学。この頃は何となく法律を勉強したいと思っていただけで、司法試験なんて受けるとは思ってもいませんでした。大学受験も、部活を引退した9月からは人並みには勉強したと思いますが(といっても他の人がどうだったか知りませんけど)、大変な思いをしたという記憶はなく、運良く受かったという感じです。思えばこのときから、受験というものを甘く見ていたのでしょう。

法学部に進学してからも、授業は退屈だったのでほとんど出席せず、友人のノートなどに助けられながら単位を取っていました。学部試験というのは出題範囲も限定されているし、講義内容に現れた教授の問題意識を意識しつつ勉強すれば対応できるため、試験前直前の詰め込みでもよい成績がくるものです。おかげで成績最優秀という謎の称号がつきましたが、一度落ちたことからも分かるように、実態を反映したものではありません。結構人数もいますし。

司法試験を意識したのは、3年の冬学期くらいからです。就職活動を少しだけ覗いたら自分に合わなさそうだったというのと、ゼミでの法律の議論がとても面白かったこと(司法試験と全く関係ないことは後で気づく)から、ロースクールに行って法律家を目指すのもよいかと考えたからです。あと、前述のように成績もよかったので、4年になってから対策してもロー入試には間に合うだろうという判断もあります。

実際には、ロー入試対策をはじめたのは3年の冬、年が明けてからくらいです。というのは、友人に旧司法試験を一緒に受けてみないかと誘われ、まぁ記念によいだろうということで、1月くらいから短答の勉強をはじめたからです。といっても旧司論文過去問を一周やり、民法の択一六法を通読したくらいですが、旧司では刑法がパズルで知識が不要ということもあり、本番で48点を取って通過してしまいました。その運が新司で欲しかった。
そこで、ロー入試対策にもよいだろうということで、7月の論文式試験に向けて一応勉強を始めました。とはいえ、これまでそういう勉強を何もしてこなかったので、下三法は伊藤塾のシケタイを急いで買って読み始め、上三法も論証などに思い至るまでもなく基本書を読み直すだけという情けないことに。当然、答練など行く余裕もその気もなく。
旧司論文は難しく、はっきり言って歯が立ちませんでした。結果は、憲法A民法F刑法G商法F民訴C刑訴Bで総合Fという、どうしようもないものでした。ちなみにこの年の民法で即時取得、刑法で間接正犯が出題されていて、新司で失敗したときの死因とかぶっていました。間違いから学ばない限り、同じ過ちを繰り返すということなのでしょう。

そんなわけで旧司は当然のように失敗したのですが、ロー入試はそれなりに上手く行き、慶應ローと東大ローに合格していました。というわけで、学費も安くて大学が変わらない東大ローに入学を決定し、新司法試験への道を歩むことに決まりました。

§2 法科大学院
前記の通り、東京大学法科大学院既習コースに入学することになりました。有名なことではありますが、東大ローは基本的に受験対策をするつもりのない場所で、特に民事系はほとんど試験と乖離した授業ばかりです(実務基礎を除く)。民法に至ってはレポートだけで、しかも内容も特別法とかだったりするので、受験対策としての体系的学習は完全に自学自習に委ねられています。

そういう場所ではありますが、他のロースクールに比べると課題などはあまり大変でもなく、民訴や刑訴を除けば予習をしなくても何とかなったりしたので、きつい授業も減ってローにも慣れてきた2年の冬学期以降は、授業で扱う判例を読んでくるなど最低限のことをするほか、ほとんど予習復習をしなくなってしまいました。授業中もかなりの時間爆睡しており、この事実だけで同級生に特定されてしまうんじゃないかというくらいです。また、自習室の空気も好きになれなかったので、結局在学中一度も自習室で勉強したことはありませんでした。かといって家でやってるわけでもなく、今思えば何やってたんだというところです。
とはいえ、ローの試験も学部と同様、ノートなどを入手した上での短期詰め込みで何とかなってしまうので、さすがに学部ほどではないとはいえ成績もそこそこで、上位15%以内には入っていました。先輩からは「ローの成績と司法試験は関係ないから」と聞いてはいましたが、正直このときは油断していました。
自分の来し方を振り返ったら勉強不足なのは明白だろう…と言えるのは、一回落ちて現実を知った今だからこその話です。受かった人も受かってない人も「自分はそれなりには勉強した」と思ってしまいますが、客観的に見ると全然違います。今、過去の自分を客観的に見て、それを痛感しています。

司法試験対策は、クラスの友人に誘われてはじめた、辰巳法律研究所の答練からでした。答案の形式などについて勉強になったのと、細かい論点も押さえる必要があるのだろうということが参考になりましたが、このときはあまり真面目に復習せず、受けっぱなしでした。成績はムラがあるものの全体としてそこそこで、この結果もあって、こんなもんなんだなぁと危機感を持たずにだらだら勉強することになってしまいました。
あとは、友人との勉強会で過去問を2年分くらい解いたのと、短答対策ということで早稲田セミナーの問題集を一周解き、ついでに肢別本も一周回していました。それから基本書を読んだり百選を読んだりといったところで、正直なところ戦略も何もあったものではありませんでした。

直前に受けた辰巳の全国模試では、短答は微妙でしたが、なぜか論文の点数がとても高く、総合で150位くらいになっていました。これで完全に調子に乗ってしまい、論文で何とかなるんだろうということで、直前期は短答の追い込みに時間を使っていました。まぁ、直前期に論文対策をやってれば何とかなったというレベルではないわけですが、結果を見る限り、類型別をきちんと読んでいれば民法がもう少し何とかなって受かっていたのかもしれません。もっとも、それで受かっても危なかっかしい法律家になってしまっていたでしょうけど。

そして、そのまま本試験に臨み、そして不合格だったということは、ご案内の通りです。
ここまでで自分に該当すると思い当たる現役生の方がいらっしゃるとしたら、悪いことはいいませんからすぐ改めたほうが良いです。死ぬ気で勉強しろとまでは言いませんが、司法試験というのはそうフワフワと受かるものでもないし、外したときのショックは大きいです。そんな当たり前のことを1年もかけて気づく必要はありません。

1.2 不合格の結果を受けてから
試験後はロー在学中に行っていたインターン先の事務所を回っていて、既に内定が決まっていたため、ゆるく過ごしていました。そういうこともあって、何となく受かっているだろうと思っていただけに、自分の番号がなかったときにはびっくりしました。今思えば、あんな答案書いて受かってたと思ってたことが恥ずかしくてなりません。
今でも覚えているのは、掲示板に番号がないことを確認しても、涙が流れるとかそういうことがなかったということです。しばらくしてからそういう機会はあったのですが、不合格の瞬間に割と冷静でいられてしまったのは、受験に対する覚悟が足りなかったことの証左なのでしょう。

不合格が分かった日は、各方面に報告とお詫びなどした後で、この先どうしようかということでぼおーっと考えていました。勉強しないといけないんだろうなぁということで、近くに転がっていた内田民法を読み始めたら、その年の問題で出ていた錯誤の記述などが目に入り、ああいうこと書けばよかったのかなぁ…などと頭によぎってきて、ようやく自分の至らなさが実感できました。

そんな感じで数日は落ち込んでいたのですが、同じ年に受験して合格した友人などが連絡してきてくれて、事務作業などで忙しい中、いろいろ相談に乗ってくれました。このときに励ましてくれたことが、再チャレンジに向けてすぐに動き出せた大きな理由になっているし、その後も自分の勉強を支えてくれました。友人たちには本当に感謝しています。

というわけで、不合格が分かってから比較的短い期間で、次の試験に向けて前向きに考えることができるようになりました。まず最初にすべきだと思ったのは、自分が落ちた理由を明らかにするということです。
次回は、ここまでの軌跡を踏まえて、自分なりに不合格の原因を分析しようとした方法と、それに基づく分析結果を記します。

最終成績

先ほど成績通知書が来ました。結果は以下の通りです。

論文
公法系 140.01
民事系 172.99
刑事系 114.71
選択   55.98
合計  483.71
論文順位  117

短答
公法系   82
民事系  117
刑事系   74
合計   273
短答順位 724

総合
総合得点  982.99
総合順位  115



後でまた詳しく書きますが、とにかく合格することが第一だったので、順位はおまけのようなものです。それでも、それなりの結果が出ているというのは報われた気がします。まぁ、8ヶ月でこのくらいに達せたのなら去年合格できたはずだという複雑な想いもあるのですが、過去のことをどうこう言ってもしょうがないですね。

各科目の成績については、僕の勉強方針である「むらなく基本を」と「無難なことしか書かない」というポイントがそのまま反映されたものだと感じています。昨年ダメだった民事と刑事にそれぞれ50点くらいがプラスされて、比較的よかったほかの科目はほぼ昨年の水準という結果は、穴埋めに成功したということなのでしょう。
民事と刑事も僕の中ではこれで満足なのですが、上位の答案に劣る点はといえば、民事大問の損害論落としや民事大大問設問4小問2以降の息切れ、刑法の因果関係論落としなど分かりやすい形で出題趣旨を外しているところでしょう。これらは普通に書けなかった部分もありますが、ホームラン狙いでの三振(僕は二振ですが)を避けるために回避したり、他の無難な記述に力を注いだため書く余裕がなかったという部分もあります。それでも平均以上の順位を取れているということで、失敗しないための答案戦術という8ヶ月間の課題は間違ってなかったということでしょう。まぁ、もう少し論点を拾いにいってもよかったとは思うのですが、それは受かったから言えることです。

といったところで僕の司法試験は終わりました。
参考になるかは分かりませんが、これからもう少し、僕が失敗を受けてから試験までの間どう勉強してきたかについて書き残す予定です。

最後になりましたが、皆さまどうもありがとうございました。

結果のご報告

ご案内の通り、今日は平成22年度新司法試験の合格発表日でした。

確認した結果、無事に番号を見つけることができました。
ブログを読んで応援していただいた読者の方々にもいろいろ励ましていただいたことも、合格に向けて大きな力になったと感じております。本当にありがとうございました。

成績表が届きましたら、それを受けて試験の総括などを書こうと考えています。
一度失敗しているわけで、偉そうなことを言える立場にはないのですが、自分もいろいろと助けられたように、受験体験についてまとめておくことで、司法試験に向けて少しでも参考になることを残せればと思っております。

それでは失礼します。
プロフィール

眠れる豚

Author:眠れる豚
名前:眠れる豚
2009年度新司法試験で討ち死にしてしまったため、再チャレンジのために淡々と勉強してきた法務博士(無職)。2010年の試験では何とか合格することができました。

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