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H19年公法系第2問(行政法)

遅くなりましたが検討済みの行政法を。まぁ遅くなっても誰も困らないのですが。


H19 公法系  問題 出題趣旨
2009.11.10解答

―――――――――
第2問(行政法)

第1 設問1について
1 小問(1)
(1) 本件では①5.6にされた退去強制令書発付の取消訴訟(行訴3Ⅱ)、②4.16にされた退去強制事由該当認定の取消訴訟ができる
また、仮の救済として、③退去強制令書の効力の執行停止(25)を申し立てるべき
(2) ①令書発付の取消訴訟
ア 令書はAに対し発付→原告適格(9)あり
出訴期間などもOK
But 処分性が問題に
イ 「処分」=国または公共団体の行為のうち国民の権利義務を直接形成しまたはその範囲を確定することが法律上認められているもの
令書発付はそれにより対象者の送還・収用を可能とする(入管52)からこれにあたる
ウ 以上より取消訴訟提起可能
(3) ②退去強制事由該当認定の取消訴訟
ア 原告適格、出訴期間OK
認定無効で令書発付要件も失われるから訴えの利益あり
イ では処分性はどうか
この点、認定自体は令書発付の前提にすぎず、処分性なしとも思われる
But 入管法は認定で該当事由あれば令書発付義務付けている
同法は判定・裁決という不服申立ての手段を用意している→処分として予定
よって処分性あり
ウ 以上より取消訴訟提起可能(裁決との関係は小問(2)参照)
(4) ③令書の効力の執行停止
ア もっとも、発付を争っても送還されると訴えの利益なくなりAの目的×
そこで、Aを速やかに解放し、送還可能性をなくすため、令書効力の執行停止(25)をすべき
イ 要件の検討
(ア) 重大な損害
25Ⅱの「重大な損害」=仮の義務付け、差止が「償うことのできない損害」とすることの対比より、回復不可能でなくてもよい、損害の性質や程度なども考慮する(25Ⅲ)
本件では令書執行でAが強制送還→大学卒業不可能、勉学の目的×、重大な損害
Aが収容されている状態も、Aの人身の自由を侵害、学業を妨げていて×
よって重大な損害あり
(イ) 緊急の必要
Aの収容は日々刻々権利侵害→一刻も早く解放すべき
一旦送還されると救済不可能→緊急の必要アリ
(ウ) 補充性
効力の停止では補充性が必要(25Ⅱ但書)
本件では、収容中止のためにはすでにされた令書執行の効力停止が必要
(エ) その他公共の福祉、本案の理由については被告が立証すべきなので省略
ウ 以上より令書の効力の執行停止が出来る
2 小問(2)
(1) 原則的な処理
行訴10Ⅰ=原処分主義
これは、原告の訴訟選択の便宜と、効力の元となる処分の取消訴訟で争わせるのが筋だという理解に基づく
⇒原則として認定の取消訴訟によるべき
(2) 例外的扱いの可能性
ア しかし、個別法で裁決主義を定めることは出来る
ここで、入管法の認定-判定-裁決はそれぞれ出訴期間3日以内
⇒判断の迅速化と対象者の手続保障を図る特殊な制度だから一体として見るべき、との見解あり
これによれば実質的に裁決主義、一体の手続の最終段階で争うべきとも思われる
イ 他方、入管法に裁決主義の明文がないので例外とはいえないとの立場もありうる
(3) いずれの立場が妥当か
ア そこで原処分主義の趣旨に立ち返ると…
10Ⅱは原則明示で原告の訴訟選択の便宜
⇒個別法に例外明示なければ原処分主義で行くべき
イ 入管法も、確かに迅速性は重視しているが、判定・裁決はあくまで認定の誤りの有無を判断するにとどまる(47Ⅷ、49Ⅲ)
⇒認定を別個の処分としていないし、認定を変更するものでもない
よって、あくまで元の処分を争うべきとの実質も変わりない
ウ 以上より、本件では原処分主義から認定を対象とすべき
第2 設問2について
1 入管法24条4号イにいう「専ら行っている」の解釈
ア 認定では入管法19Ⅰ違反から24④イ違反としている
これは19Ⅰ違反⇒24④イ違反という前提に立つが、それは誤り
イ 入管法24④イは、19Ⅰ違反+「専ら行っている」と規定⇒要件付加
これは、同73が「専ら行っている」を欠く19Ⅰ違反を1年以下の懲役・禁錮と200万以下の罰金に留める一方、「専ら行っている」場合は3年以下の懲役・禁錮と300万以下の罰金と重くしていることからも明らか
ウ 以上より、24④イに該当というには、①少なくとも19Ⅰ違反であり、かつ②「専ら行っている」と評価される必要がある
それぞれ本件では否定される
2 19Ⅰ違反のないこと
(1) 資格外活動許可制の解釈
ア 19Ⅱ=在留資格を基礎付ける活動の信仰を阻害しない範囲で、必要経費の一部をまかなうバイトOK
審査官はAがこれに違反というが、その判断は直ちにはいえない
イ すなわち、同項は①専らまかなっているといえなければ問題とならないし、②入国時要件も、一旦入国を認めた以上退去は控えるべきであるから、事情変更があれば滞在経費をまかなうアルバイトを認めるべきである
(2) Aはバイトで滞在経費を専らまかなっていない
Aは滞在経費として月14万+授業料
バイト前は父から月10万、これは授業料に使用されていたともいえる
父の学資がなくなったあと、Aは月10万のアルバイトを開始しているが、他にも奨学金と親戚の仕送りもある
滞在経費自体はバイト外の収入でまかなっていると考えられるからOK
(3) 事情変更のあること
Aの入国後父の会社の倒産でやむなくアルバイト
このような場合には例外として認めるべき
3 入管法24④イに該当しないこと
(1) 19Ⅰ違反であっても、「専ら行っている」のでなければOK
この要件は、就労目的の入国を規制する趣旨⇒Aの在留目的たる留学の目的に実質的な変動がなければ「専ら行っている」とはいえない
(2) 本件についての評価
ア アルバイトの実態
Aは禁止された風俗営業所でバイトしている
But その内実は接客ではなくファミレスと同等
収入面も風俗営業に伴う高価なものとはいえない(時給1200円くらい)
イ アルバイトの動機
Aのバイト開始は学資をまかない留学目的を達成するため
実際、収入は遊興費や蓄財にはあてられていない
AがP店からR店に勤務先を替えたのも、労働時間を増やして学業に支障がでるのを避けるためといえる
ウ 学業への支障
Aは講義に平均8割出席
既に卒業要件の8割近く取得
その成績も、母国語でない留学生なのに半分近くが優・良と十分
R店アルバイトを9ヶ月続けているのに、上記のような成果を上げているから、支障は認められない
(3) 結論
以上より、Aは在留目的変えずにバイトと学業を両立⇒「専ら行っている」わけではない
よって審査官の認定は事実誤認の違法あり


消費時間 1:50
答案枚数 7.5枚


―――――――――
【反省点】

今回はざっと以下の通り。小問(2)は割と頑張ったほうではないかと思います。

1.誘導を読まなかった小問(1)
訴訟法の問題ですが、誘導を十分よまなかったため、書かなくてよい認定の取消訴訟について論じてしまいました。これは無駄な時間・分量を食っただけでなく、印象も落としてしまいます。
さらに、認定の取消訴訟を論じようと思ったことで、そちらの処分性の認定がキモになると考えてしまい、令書発付の処分性について手を抜いてしまいました。本当はこちらに力を注ぐべきでした。
本試験ではこういう読み落としが明暗を分けそうなので、冷静に解いていきたいです。

2.本案の話は誘導から主張を整理しなければ
今回は誘導の会話文が分かりにくく、書くべきことは分かるがそれをどこで書けばいいのかよく分からないという感じでした。とりあえず入管法19Ⅰ違反と24④イ該当性が違うという関係は分かりましたが、それを総論という形で書かなくても、19Ⅰ違反はない(資格外活動許可に違反していない)⇒違反があっても24④イには該当しない(専ら行っているといえないとダメだがそれはない)、と順に論じていけばそれで足りた気がします。
十分整理できていなかったので、風俗営業所の仕事とファミレスの仕事が同等だという話は19Ⅰ違反の不存在で(も)摘示すべきだったとか、いろいろ残念なところがあります。
あと、違法主張の内容については、滞在経費を専ら賄っていない…というところの議論は説得力が弱いですね。個人的に「いや、専ら賄ってるだろう」と思ってしまったのでこんなことを書いているのですが、入国時要件は在留期間全体の滞在費を賄う資力があるかどうかで考えるのでしょうから、在留期間のなかの9ヶ月だけバイトをしていたという事実をここで拾うべきでした。
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眠れる豚

Author:眠れる豚
名前:眠れる豚
2009年度新司法試験で討ち死にしてしまったため、再チャレンジのために淡々と勉強してきた法務博士(無職)。2010年の試験では何とか合格することができました。

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