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2009年新司法試験不合格答案再現(6.刑事系第1問:刑法)

そして刑法へ。最も恥ずかしいクソ答案です。メイン死因でしょうね。



4日目 刑事系第1問・刑法(100点)  問題

*得点:66.50/200(刑訴含む 4500位くらい)

第1 甲の罪責
1 AのカードからB社口座に200万円を振り込ませようとした点
(1)甲は、Aの口座から200万円を自らの支配するB社の口座に移そうとし、結果として80万円を領得している。この点につき、甲はAの口座の管理を任されていたため、業務上横領罪(刑法253条)と背任罪(247条)のいずれかが成立しうる。
(2)この点、両罪は法条競合の関係にあり、業務上横領の方が法定刑が重いため、物の領得行為として業務上横領罪が認められれば同罪が成立するから、その成否につき以下で検討する。本件では、①甲にAの口座につき業務上占有が認められるか、②途中で乙が甲の意図に気づいた点をどう評価するかが問題となる。
 なお、前提として、Aの口座に対する占有(預金の占有)が認められるかという問題がある。民事上金銭は所有と占有が一致するため、その占有は銀行にしかないとも考えられるが、現金であれば領得罪が成立し預金ではそうならないというのは不当であり、刑法上は預金の静的安全も保護に値するから、預金の占有も認められると解すべきである。
(3)業務上の占有があるか
ア 甲はAクレジットの貸金業務に関連してAのカードや通帳を保管しており、社会通念上継続的にされる活動に基づく管理をしているから、「業務上」の占有が成立しうる。
 それでは、甲にAの口座について占有が成立するか。Aと甲との間に委託信任関係が存在し、これに基づく占有が甲に成立しているかが問題となる。
イ この点、委託信任関係に基づく占有が存在するかどうかは、委託信任関係につき①甲が有する権限、占有の所在につき②甲がAの口座を管理している態様を検討することで決すべきである。これを本件について見ると、以下の通りである。
(ア)甲の有する権限
 甲は、Aからの厚い信頼に基づき、Aクレジットの主要な事業たる貸金業務につき、貸付内容の審査・判断から消費貸借契約締結、貸付実行に至る一連の権限を有している。また、資金管理面においても、現金出納、取引先に対する支払いのほか、Aの口座の預金出し入れやこれらに係る経理関係の書類作成・保管など、大きな権限を与えられている。
(イ)Aの口座の管理態様
 甲は、上記権限に基づき、甲が鍵を保持し管理している金庫の中に、Aの口座の通帳、届出印及びカードを保管することで所持していた。そして、これらの行使に際しては、甲の部下である経理担当の事務員を手足として用い、甲の指示により預金の出し入れをしていたが、Aのカードや通帳の出し入れは甲自らが行い、事務員には一時的に手渡されるだけであった。
 また、Aの口座の出入金が記録される経理関係の帳簿についても、甲の机の引き出しにおいて管理され、Aは甲の保管する帳簿やAの通帳につき収入支出の状況は確認するものの、その詳細な内容や正確性については甲を信頼し、他の書類とつき合わせて精査することはしていない。
(ウ)結論
 以上より、甲は業務に関連するAの口座につきAとの委託信任関係に基づく管理権限を与えられ、その管理態様も甲が自ら口座を管理支配しているといえるから、甲はAの口座につき委託信任関係による占有を有している。
(4)乙による故意の介入
ア 本件では、甲は乙を介して財物を領得しようとする、いわゆる間接正犯の形態を意図していたところ、途中で乙が甲の意図に気づき、自ら領得意思を発現させた上で120万円につき甲の目的に反し自身で領得し、結果的に甲は80万円だけを得ている。
 これにより、乙の故意によって振り込まれた金銭については甲による横領行為が認められなくなるとも思われるが、甲は現実に80万円を利得しているところ、この部分につき正犯として帰責させることはできないか。この点、①乙の行為の介入が甲の指示と領得結果の間の因果関係を切断しているか、②乙の故意に基づく領得態様が甲の故意とずれている点をどう評価するか、が問題となるので、以下検討する。
イ 因果関係の問題
 刑法上の因果関係は、条件関係の存在を前提に、結果をいかなる行為に帰責させるかという規範的な見地から評価されるべきであり、行為の危険性が結果に現実化したといえるかどうかで決すべきである。
 これを本件について見ると、甲は乙に対して上司としての立場からB社口座への振込みを命じており、これ自体がAの口座内の金銭が流出する結果を生ぜしめるものである。そして、乙が自らの判断で80万円をBの口座に振り込んだ行為も、甲の命令の範囲内であり、それを契機にされたことは変わらないから、甲の行為の危険性が現実化したものということができ、因果関係は切断されない。
ウ 甲の意図と結果との錯誤の問題
 甲が間接正犯を意図したところ、実際には乙の故意行為により領得結果が得られている本件では、甲の意図と結果との間に錯誤があり、甲の故意が否定されるようにも思われる。
 しかし、故意とは反対動機を形成しなかったことに対する非難可能性をいうと解されるところ、乙の故意行為の介入は、甲が領得結果を実現する上での因果関係についての錯誤にすぎず、結果について相違がない以上、甲の反対動機形成に影響を及ぼさない。よって、この点で甲の故意が否定されることもない。
エ 以上より、甲は80万円の領得につき正犯として業務上横領の罪責を負う。
(5)乙による120万円の領得行為についての罪責
 ここで、乙が甲に手渡されたAのカード及び通帳により120万円を引き出し、領得した行為につき、甲が背任罪の罪責を負わないかが問題となる。
 しかし、業務上横領罪(253条)は未遂処罰の規定がないところ、これは、業務上横領に該当する行為が未遂である場合には不可罰とする趣旨であると考えられ、甲が120万円を領得するに至っていない以上、さらに背任罪の成立を認めることは出来ないから、この点につき甲は罪責を負わない。
2 強盗を装って120万円の返還を免れようとした点
(1)甲は強盗を偽り、警察に対して虚偽の通報をしているから虚偽告訴罪(172条)の成立が考えられるが、甲には処分を受けさせる目的がなく、同罪の構成要件を満たさないから、これは成立しない。
(2)甲は、強盗を偽って120万円が不正に引き出されたことにつきAを騙そうとし、Aからの追及を免れようとしているから、利得詐欺罪未遂(246条2項、250条)の成立が考えられる。これにつき、①財産上不法の利益を得させたといえるか、②乙と共同正犯(60条)としての罪責を負うかが問題となる。
(3)①について、甲が強盗を偽ることでごまかそうとしたのは自身が領得していない120万円であるが、甲は乙に弱みを握られている関係にあり、120万円につき何とかすると約束していることから、乙に財産上の利益を得させる行為といえる。また、120万円は元々自身の横領計画に端を発してされた不正の出金であり、これが発覚すれば自身の得た80万円についても追及される可能性が高いから、その意味では自己が財産上の利益を得る行為とも言え、いずれにせよ同要件を満たす。
(4)ア ②について、共同正犯が処罰される理由は、2人以上が共同して互いを利用しあって犯罪を遂行することで法益侵害の危険性が増大することにあるから、共同正犯については、共謀にとどまる場合であっても、その成立が肯定されるべきである。そして、共謀共同正犯の成立を判断するに当たっては、①意思の連絡、②実行役割の重要性、③正犯意思の3つを検討すべきである。
イ これを本件について見ると、以下の通りである。
(ア)①について、甲は乙の依頼に基づき、甲に指示して強盗を偽装しており、意思の連絡が認められる。
(イ)②について、甲は自ら偽装計画を発案し、友人の丙に対して口裏を合わせるよう依頼したほか、乙を縛り上げて偽装行為の一部を分担し、さらに通報行為をしているから、重要な役割を占めている。
(ウ)③について、甲は120万円の不正隠蔽意図を有しており、それ自身がAからひどい目に遭わされることを避けたいとの動機によるものであった。また、甲の犯行は上司として支配する乙に指示する形でされており、甲には正犯としての意思が認められる。
ウ 以上より、甲には乙との詐欺未遂罪についての共同正犯が成立する。
3 結論
 甲には、80万円の業務上横領罪(253条)と120万円の2項詐欺罪未遂(246条2項、250条)が成立し、両者は併合罪(45条)の関係に立つ。
第2 乙の罪責
1 甲から受け取ったAのカードで120万円を引き出し、80万円をB口座に振り込んだ点
(1)乙は、自らAのカードを行使し、120万円を引き出して領得した上、80万円をBの口座に振り込んでいる。80万円の点については乙自身は領得しておらず甲に責任があるから乙に罪責は成立しないが、120万円について何らかの罪責が成立しないか。
(2)この点、乙は甲の命令によって、これまで知らなかった暗証番号などを知らされた上でカードを渡されたにすぎず、Aの口座に占有を有しているとはいえないから、横領罪の成立は認められない。そこで、雇用主たるAとの関係で背任罪(247条)の成立が考えられる。
(3)背任罪の成立には、乙が「他人のためにその事務を処理する者」といえなければならない。
 この点、事務処理義務については、法律関係に基づくもののほか、慣習に基づくものなどが広く含まれると解される。本件の乙は、経理担当として口座の管理に関わるものではないが、Aクレジットの社員として、雇用契約に基づき、上司甲の命令に適切に従い、会社のために口座預金の出し入れを行う義務を負うものであるから、Aのために預金管理事務を処理するものといえる。
(4)乙は、上記の通りAのための事務処理者でありながら、自己が120万円を領得するため、不正に気づいていれば出金すべきでなかったにもかかわらずその任務に反して出金行為をし、本人に財産上の損害を加えたから、背任罪の罪責を負う。
2 強盗を装って120万円の返還を免れようとした点
乙は、自己の領得した120万円の返還追及やAの攻撃を免れるため、Aを欺もうすべく強盗被害を装い、120万円の不正出金を隠そうとしたものであるから、利得詐欺未遂の罪責を負う。
3 結論
 以上より、乙には120万円につき①背任罪(247条)と②詐欺未遂罪の共同正犯(246条2項、250条、60条)が成立し、両者は異なる行為であるから併合罪の関係に立つ(45条)。


<反省>
これはひどい。間接正犯成立のために意味不明なことを書きまくっているのもそうですし、背任罪の検討とか、後半が2項詐欺未遂だとか、何言ってるんだと。そして何より、実行共同正犯なのに共謀共同正犯の議論を展開するという無意味なことをやってしまいました。印象悪かったんでしょうねこれは。

監禁罪の同意による不成立とかは気づいてたのですが、とにかく難しく、時間がなかったのでスルー。2時間にこだわりすぎましたが、ちょろっと書いておけば多少点になっただろうに…。それで受かったとは思いませんが。

<得点を受けて>
まったくゴミのような点数です。刑法については全般的に終わっているので、それ以上のコメントはありません。しかし、監禁罪を書いてれば少しだけでも点がついて受かってたのかな、とか思わないでもありませんが。
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2009年度新司法試験で討ち死にしてしまったため、再チャレンジのために淡々と勉強してきた法務博士(無職)。2010年の試験では何とか合格することができました。

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