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2009年新司法試験不合格答案再現(5.民事系大大問:民法&商法)

続いて大大問。内容がしょぼいのに長いですね。



3日目 民事系大大問・民法&商法(200点)  問題

*得点:117.17/300(大問含む)

〔設問1〕
1 売買契約とは、当事者の意思の合致により成立する諾成契約である(民法555条)。そこで、売買契約の目的物が何であるかは、当事者の意思が何を目的としていたかによって決せられるものである(意思主義)。契約書の表示などは、当事者の意思を参酌する重要な材料ではあるが、それにより目的物が決定されるものではない。
2 そこで、本件売買契約の当事者XA間での意思内容を判断するため、契約締結までの経緯を検討すると、以下のような事実が分かる。
ア 本件売買契約の発端はY社がA社にした機械調達の依頼であるが、そこではY社担当のCの意向により、PS112の機械が目的とされ、A社もそのように認識した。
イ 上記交渉に基づき、A社はX社にPS112につき問い合わせており、Xもその在庫がある旨回答している。
ウ YA間ではX社のPS112についての売買契約が締結され、この時点でA社が負う調達義務の目的物はPS112と確定した。
エ 上記契約に基づきA社はX社に連絡し、PS112の購入を前提とした契約条件の協議がされた。
オ A社担当者は注文書の作成時に型番の誤記をしてしまったが、発注権限者への報告の際にはPS112の調達を内容とし、これに対して決裁がされている。
カ X社担当者は、誤記のある注文書を受け取った後も、従来の交渉内容を前提として、受注権限者への説明でPS112を目的物とし、その決裁を得ている。
キ X社からY社への納入において、PS122の納入に対しY社によりPS112が目的物であると指摘のあったところ、X社の受注担当者はPS112を目的物と認識しており、速やかに対応がされた。
3 以上より、本件売買契約の発端である注文内容がPS112であることはXAともに認識しており(ア~ウ)、以降誤記にも関わらず契約担当者とその決裁権限者の中ではPS112が目的物とされており(エ~カ)、誤記による注文を受けたX社においても、PS112が目的物と認識されていたことが分かる(キ)。
 よって、XAの間ではPS112が契約の目的物であるとの意思の合致が認められる。
4 (1)ここで、誤記の注文書により発注したA社から、錯誤(95条)を主張しうるかが問題となる。もしこれが認められるのであれば、A社は実際にはPS112を目的としていたにもかかわらずPS122を注文した錯誤により、本件売買契約が無効であることになる。
(2)ア この点、錯誤の成立要件は①要素の錯誤であること、②錯誤に重過失がないこと(95条但書)である。
 ①については、もしPS112をPS122と誤っていることが分かっていればそのような発注はしていなかったといえる重要な誤記であったこと、また一般的にもそれにより表示行為をしないという因果関係が認められることから、要素の錯誤といえる。
 一方、②については、A社担当者は型番が101から125まで少ない中で誤記をしてしまったこと、誤記の内容を反映した注文請書をX社から受け取っているのにこれを確認することなく契約を進めていることから、A社には重過失が認められる。
(3)よって、型番の誤記は本件売買契約の効力に影響を与えない。
〔設問2〕
1 小問(1)について
(1)①事実について(引渡しの有無)
ア 本件では、Y社は即時取得(192条)の成立を主張するものであるが、即時取得の成立要件として占有の開始が要求されている。では、Yは引渡しを受ける前にXまたはAから即時取得を成立させるような動産甲の占有移転を受けたといえるか、それともA社からの引渡しがされてはじめて占有移転を受けたといえるのか。即時取得に必要な占有移転の態様が問題となる。
イ この点、判例は占有改定によって即時取得は認められず、実際の引渡しが必要であると解する。しかしながら、この見解によれば、例えばAがBに動産を売ってなお手元にある同じ動産をXに売ったという事案において、BもCも占有改定しか受けていないから即時取得は成立せず、BがCに告知すればCは悪意となるので常にBに対抗できないという結果になり、後での取引者が不当に害される。
 そこで、占有改定でも一応即時取得は成立し、その時点で善意無過失の要件を備えれば即時取得は成るも、他の者に対抗して確定的に所有権を獲得するには現実の引渡しを受けねばならないと考えるべきである(折衷説)。
ウ もっとも、本件では動産甲の所有権及び占有はY社への引渡し時までX社に存在しており、YA間の売買契約以降にAからYへの占有改定がされた事情もないからである。よって、上記イのように考えた場合であっても、Yは2月15日の引渡しを主張立証しなければならない。
(2)②事実について(善意)
ア 即時取得の成立要件に際しては、善意が要件とされている。では、同要件を満たすためにはどこまでの事実を主張立証する必要があるか。即時取得に言う「善意」の意味が問題となる。
イ この点、即時取得が動産の原始取得という強力な効果を持っていることに鑑みれば、それを正当化するための善意には高度なものが要求され、所有権の存在につき疑いを抱いているという状況であっても善意が否定されると解すべきである。
ウ ②事実は、Y社の認識として、A社がX社から所有権を有効に取得していることにつき疑いを持たないということを示すものである。代金全額の弁済がされていないという場合、A社がX社から完全に所有権を取得していないとの疑いが生じるものであるから、これを否定するためにも、②事実の主張立証が必要であると考えられる。
2 小問(2)について
(1)③事実について
 ③事実は、X社がAY間の売買契約時点で動産甲の所有権を有しておらず、後日の契約によって所有権を取得するということについてのYの認識をいうものである。これにより、Aが所有権を取得したか確認する義務がYに認められ、Y社の過失を認める方向に働くとも考えられる。
 しかし、他社から調達する形で商品を販売する形態は一般に見られ、取引相手が引渡し時点までに有効に商品の所有権を取得していないということはむしろ稀であると思われる。A社の支払能力に疑問があるなどの事情がない本件においては、③事実からY社にAX間の取引の調査義務が生じるとはいえない。よって、事実③は、それ単独では過失の認定についてあまり意味を持たない。
(2)④事実について
 ④事実は、約束手形により残代金が支払われるということについての認識であるが、通常約束手形での支払であるというだけで支払いの確実性が失われるものではなく、これ単独でA社が所有権を取得していたか調査すべき理由とはならない。
 しかし、本件の約束手形は支払期日が4月30日と2ヶ月以上後になっているが、A社はY社が目的物の引渡しを受けたときに動産甲の代金として850万円の支払いを受けるものであり、それによってX社への支払いがされるのが通常である。そうであるにもかかわらず支払期日を先延ばしした約束手形による支払いをしているということは、A社の財務状況の不安定さを推認させるものといえる。そこで、本件でY社が④事実のような認識を有していたということは、Y社にA社を調査すべき義務が生じていることを示し、Y社の過失を強く推認させる材料となる。
〔設問3〕
1 不当利得返還請求の成否について
(1)X社は、Y社に対し、動産甲の使用料につき不当利得請求権(703条)に基づく請求をすることが考えられる。
(2)不当利得請求の要件は①X社に損失があること、②Y社に利得があること、③損失と利得の因果関係、④Y社の利得に法律上の原因がないことの4点である。このうち、①X社の所有する動産甲がY社に使用されたことで甲の価値が低減した点に損失があり、②Y社は甲の使用で利得を得ており、③両者は因果関係があることは明らかであるので、以下では④につき、Y社の動産甲の使用が法律上の原因に基づくものかを検討する。
(3)動産甲の所有権はAX間の契約によりXに留保されており、AY間の売買契約でY社が所有権を取得するものではない。そこで、Y社の甲使用が法律上の原因に基づくかどうかは、Y社が甲を即時取得したかどうかで左右される。甲が引渡しを受けた時点で善意であったかは本件事情からは明らかでない部分もあるが、X社としては少なくともYが無過失でないことを示せば足りるので、この点を検討する。
 Y社は、前記③事実を知っていたが、これだけでは過失を認定できないことは前述の通りである。また、④事実についても、これは引渡しがされた2月15日の5日後である2月20日に説明されたものであるから、即時取得の成立時における過失を導く理由にはならず、Yの過失は認められないようにも思われる。しかし、2月15日の引渡し時点においてX社は注文書の誤記により誤った型番の機械を納入しようとしており、Y社との間でトラブルになっているものであるが、Y社としてはこれによりA社が動産甲(PS112)を適切に取得していないのではないかと疑問を抱く理由があったと考えるべきであったといえる。そして、その時点でXA間の代金決裁や動産甲の所有権の所在につき調査すれば、所有権留保の事実が不明であっても④事実につき判明したはずであり、さらにそこから所有権の所在につき疑いを抱くことが可能であったといえる。
 よって、Y社には、動産甲引渡しの時点で過失があったというべきであり、即時取得は成立しないから、Yは所有権に基づかず無断で甲を利用したことになるから、その利得に法律上の原因はない。
2 いつからの使用料を請求できるか
(1)動産の使用料は、動産の果実である。果実については、悪意の占有者に対しては返還請求をすることができる(190条1項)一方、善意の占有者に対しては請求ができない(189条1項)ものであり、これは果実の不当利得返還請求においても適用されない理由はないから、Y社が所有権のないことにつき善意である場合、善意の時点ではその果実を請求することはできない。
 Y社は動産引渡しを受けた時点で善意であると考えられ、また2月20日に事実④を知らされた時点でも、所有権留保の事実を知らされておらずX社に取引経過の照会もしていない以上、この時点で悪意に転じたともいえない。
(2)しかし、本件では平成20年5月7日に、X社からY社に対して動産甲の返還請求がされており、遅くともこの時点でY社は所有権の不在につき悪意になったといえる。よって、X社は、190条1項より、5月7日からの使用料相当額を請求できる。
〔設問4〕
1 Z社は、長年X社の株主となっているから、取締役の合併契約締結行為や株主総会招集の差止めを請求することができる(会社360条1項)。
 差止めの要件は①法令や定款に違反する行為がされ、またはされるおそれがあること(360条1項)、②会社に回復することのできない損害の発生すること(同3項、X社は監査役設置会社)の2点であるので、以下それぞれ検討する。
2 法令定款違反の事由について
(1)合併比率の不当さ
ア 本件合併計画においては、その合併比率がX社の株主にとって不当な不利益となっている。このような合併を進めることは、会社の利益を害することにつながり、忠実義務(355条)及び善管注意義務(会社330条、民法644条)に違反する疑いがある。
イ (ア)しかし、会社は利潤をあげることを目的としており、そのための経営判断は専門的かつリスクを伴う決断を含むため、広く違法を認めることで経営者の判断を過度に萎縮させることは、かえって会社の利益とならない。そこで、取締役の意思決定については、①判断の基礎となる基礎を適切に収集・認識し、②それに基づいて経営として合理的な判断をしたものと認められる場合、その結果は違法とならないと解すべきである。
(イ)また、本件では取締役が事業全体の存続や従業員の雇用確保といった目的でD社との合併を決断しており、合併比率の不利益を受けるZ社との間に一種の利益相反関係があるので、会社の取締役としていかなる目的を優先すべきか、さらに検討する。
 この点、会社にとって事業継続や従業員の保護が収益増につながり、かかる目的の追求が優先されてもよいという見解もありうる。しかし、会社法は株主総会を会社の最高意思決定機関としており(295条)、取締役など会社役員は株主の手でいつでも解任することができる(339条)と定めている。そこで、会社の目的はあくまで株主の利益最大化であり、従業員などの利害関係人については株主に劣後するものと解すべきである。
ウ 以上を前提に、本件でX社取締役が進めている合併契約を評価すると、X社は財務状況が急激に悪化し、Z社との協力だけでは企業としての存続が危ないことが認められるから、D社の合併申入れにつき検討したこと自体は合理的であるが、そこで提示された合併条件に従うことは、事業全体の存続や従業員の雇用という点からは問題を解決するものの、株主にとっては不当な合併比率となっており、これを害するものである。X社としては、従業員のリストラやさらなる事業の売却・縮小など合併案より株主を害しない代替案を検討することは可能であったはずで、D社との合併以外に手段がないという事情は本件では見られない。
 よって、本件でのX社取締役の判断は、Z社などX社株主を不当に害する事実を適切に認識せず、あるいは認識した上で株主の利益を害する不合理な判断をしたといえ、違法というべきである。
(2)独禁法違反の点
ア 本件で進められている合併は、独禁法に違反するものであるところ、取締役は法令順守の義務を負っている(355条)ため、本件合併を進めることはこの義務に違反する可能性がある。
イ ここで、355条にいう「法令」が、いかなる範囲の法令を指すかが問題となる。この点、同文言を広く解釈することは取締役の行動を過度に制約することになるとし、これを会社法の規律に限定する見解もあるが、そもそも会社の取締役は日本国で適用される一切の法令につき遵守することが期待されているから、同条の「法令」とは、会社法にとどまらず一切の法令を意味するものと解すべきである。
 よって、独禁法に違反する行為も355条の法令違反にあたるため、そのような行為は会社法上も違法となる。
3 回復することのできない損害の発生
(1)「回復することのできない損害」とは、回復することが物理上不可能なものだけでなく、差止めがされず行為が実行されると回復に著しい不都合があり、完全に填補されないという場合も含まれると解すべきである。
(2)本件でX社がD社との合併を進めた場合、株主らは合併比率の上で大きな損害を受けるが、一旦合併し消滅した会社を復活させることは事実上容易でない。また、独禁法違反のまま合併を進めた場合、それにより合併後の会社に不利益が生じ、これも回復することは困難といえる。
 よって、本件合併を進める行為で回復することのできない損害が発生するものといえる。
4 結論
以上より、Z社は360条により株主としてX社取締役の合併を進行させる行為の差止めを請求することができる。
〔設問5〕
1 小問①について
(1)本問において問題となるのは、議決権行使書面及び委任状において賛否の明示がない場合に賛否の取り決めを定め、あるいは白紙委任する旨の規定が有効であるかどうかである。以下、それぞれについて検討する。
(2)議決権行使書面で賛成の表示とみなす規定の是非
ア X社は、株主5000人の会社であるから、298条2項より書面での議決権行使機会付与を義務付けられ、これに基づき株主総会参考書類と議決権行使書面を株主に送付している(301条、302条)。そして、本件での議決権行使書面では、議案につき賛否の表示がされない場合、会社提案の議案に賛成したものとして扱うと定められている。このような扱いが認められるか。
イ この点、議決権行使書面は会社から株主全員に交付されるため影響力が大きく、賛否の表示がない場合に会社提案に賛成させることは、Z社を不当に害するため認められないという見解もありうる。しかし、会社法施行規則66条1項2号は、議案の賛否に記載がない場合にその扱いを定めることができると定めており、X社の扱いは明文上も根拠があるから、かかる見解はとりえない。
 もっとも、明文で定めがあるとしても、かかる扱いが株主の合理的意思に反したり、会社を不当に害するという特段の事情があれば、そのような規定は例外的に無効となるものと解すべきである。
ウ そこで本件議決権行使書面を見ると、同書面には賛否の表示をしない場合の扱いが明記されていること、議案が一個しかなく、賛否を明らかにしない場合には当該議案への委任をしたことが合理的に推認できること、また株主総会参考書類による説明もされていることから、前記特段の事情はない。
エ よって、X社の取扱いは有効である。
(3)Z社委任状の白紙委任規定の是非
ア 一方、Z社の委任状は、①賛否の明示がない場合や②代理人名記載のない場合、③原案に対し修正案の提出された場合に白紙委任としているところ、かかる扱いは認められるか。そのような事情のある場合に、株主の合理的意思に反する扱いとならないかが問題となる。
イ ①につき、Z社に委任状を返送した場合、Z社の提案(合併への反対)に賛同しているといえるので問題はない。②の場合、Z社は自身を代理人として扱うことが考えられる。これは、Z社からの送付に対して返送された委任状の扱いとして合理的である。③の場合も、もし修正案のある場合に委任を望まない場合、委任状の交付をせず議決権行使書面に否決の表示をして提出することもできたのであるから、修正案が提出された場合にZ社が株主の立場からする賛否に委ねるという扱いも合理的意思の範囲に含まれると解することができる。
ウ よって、Z社の委任状における扱いも認められる。
(4)以上より、本問での議決権行使状況は、賛成が5000+29000+50+6000=40050個、反対が2000+2000+10000+5000+1000=20000個となる。
2 小問②について
(1)本問では、X社とZ社の両方に対して賛否を記載せず、結果として賛成と否定の両方の意思表示をしたことになる議決権の扱いが問題となる。
(2)ここで、会社法は313条で議決権の不統一行使について定めており、本件でも同条を類推適用することが考えられる。しかし、Fの行動はX社・Z社双方に対し全ての議決権を委ねており不統一行使とは言えず、Fが同条2項の通知をしているものでもないから、これは認められない。
(3)また、一般の意思表示と同様、X社に対する議決権行使書面の提出とZ社への委任状の交付の先後で判断することも考えられるが、本件でもいずれが先後かは不明であるから、この扱いも妥当でない。
(4)結局のところ、本件のFについてその議決権行使の意図は明らかでなく、その合理的意思を判断することも不可能というほかないから、その議決権100個は無効であり、賛成・反対双方から減ずるべきである。よって、本問では賛成39950個、反対19900個となる。
〔設問6〕
1 合併効力発生前
(1)Z社は、合併の実現を阻止するため、合併契約を承認した株主総会決議の取消ないし無効の訴えを提起することができる(831条1項、830条2項)。吸収合併においては消滅株式会社において合併契約の承認を受ける必要があるから(783条1項)、この承認決議を取り消すことで、合併の実現を阻止することができる。
(2)Z社は、決議無効事由として設問5で論じた事由を内容の法令違反として主張できる(830条2項)。また、臨時株主総会におけるEがZ社の提出した議長不信任動議などを無視した行為は、議長の権限(315条)の濫用であると考えられ、これを取消事由として主張することができる(831条1項1号)。
2 合併効力発生後
(1)一方、4月1日の効力発生日以降は、合併の効力を争うにはその6ヶ月以内に合併無効の訴えを提起するしかない(828条7項)。
 会社法が効力発生後に合併の効力を争う方法を手段・期間ともに制限している趣旨は、組織変更行為の影響の大きさに鑑みた取引の安全確保にあるから、無効事由は重大な法令違反を内容とし、無効とするほかない場合に限定すべきである。そこで、以下、本件合併に存在する問題につき、無効事由となりうるか検討する。
(2)合併比率の不当さ
ア 本件合併契約は合併比率が客観的に見て不当であり、正当な理由なくX社株主を害するものであるから、法令違反といえる。
イ では、これは無効事由となりうるか。この点、会社法は反対株主に対して株式買取請求権を認めており(797条)、その価格につき裁判所に申し立てる機会も与えている(798条2項)から、合併比率に不満を持つ株主はこれを通じてその損害を回復することができる。よって、合併比率の不当は合併無効事由にはならない。
(3)合併の独禁法違反
合併の独禁法違反は、合併内容の法令違反であり、合併をした後であっても重大な問題といえるから、合併無効事由として認められるべきである。
(4)株主総会決議の取消事由
ア 先に見た株主総会決議の取消事由(手続の法令違反)は、合併内容の違法をいうものでないから、それ自体を合併無効事由とすることはできないが、合併承認決議が取り消された場合、当該合併は783条1項の承認を欠くため重大な瑕疵を帯び、かかる手続の瑕疵は合併無効事由となると解される。
 それでは、決議取消しが効力発生日の4月1日になっても確定しない場合、これを効力発生後に無効事由として争うことはできないか。この点、合併承認決議取消しの訴えと合併無効の訴えは請求の基礎を同一にしているから、民訴143条1項による請求の変更により、決議取消しの訴えを合併無効の訴えに変更し、その上で無効事由として決議の違法を主張することができると考える。
 もっとも、決議取消しの訴えにより主張できない事由を合併無効の訴えにおいて主張させる理由はないから、決議取消しの出訴期間(3ヶ月。831条1項)の遵守が条件とされ、また831条2項の裁量棄却も類推適用されると解すべきである。

<反省>
民法は正直何を聞きたいのか分かりませんでした。設問3とか、やたら配点高いけど何なんだろうと。所有権留保絡みで所有権の所在を検討し、使用対価の支払いができるかという議論にしてほしかったのでしょうか。
設問1からしてよく分からないまま書いていました。共通錯誤の論点なども関係していたのでしょうか。設問2は③事実は善意に関するものですが、条文上推定されているので相手から反証のない限りはいらない事実でした。要件事実の基礎をすっ飛ばしていたということです。また、④事実が時的関係で意味がないことをスルーしてしまい、設問3で気づいてアピール(?)をはじめるという暴挙に出ましたが、大人しく修正などすべきでした。あと、占有改定云々の議論も本問では不要でしたね。書くことがなかったので適当に書いてしまいました。

商法は、そこそこ書けたようには思うのですが、議決権がらみの議論は微妙だし、そのほかにも説明が甘かったのかもしれません。また勉強が進んだら見直してみます。

<得点を受けて>
民事系死亡の最大の原因は民法でしょう。設問2はほぼ間違いです。要件事実の基礎が分かっていないことの自白ですね。即時取得の勉強がおろそかだったことは認めざるを得ません。
他にもいろいろ詰めるべき点はあり、基本的に民法の理解が足りなかった答案だということです。

商法は普通だと思うのですが、結果を見る限りそれほどよくなかったのでしょう。これはまた後日検討してみます。
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プロフィール

眠れる豚

Author:眠れる豚
名前:眠れる豚
2009年度新司法試験で討ち死にしてしまったため、再チャレンジのために淡々と勉強してきた法務博士(無職)。2010年の試験では何とか合格することができました。

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