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H18公法系第2問(行政法)

次回の勉強会までに前回の内容はあげておくべきだということで。これはひどい答案です。
答案構成からも読みにくさが伝わるという…。

H18 公法系  問題 出題趣旨
2009.10.21解答

―――――――――
第2問(行政法)

[設問1]
1 Aの提起しうる訴え
(1) 2項道路一括指定は出訴期間経過している
⇒Gの2項道路該当を伝える通知を処分と見て取消訴訟(行訴3Ⅱ)を提起する
(2) 前記通知が処分でない場合、本件通路部分が2項道路でなく、Aらにセットバック義務がないことの確認を求める公法上の当事者訴訟(行訴4)を求める

2 取消訴訟について
(1) 訴訟要件
ア 通知の取消について出訴期間、原告適格、不服申立前置の要件に問題はなし
But 処分性が問題 ∵ 判例は2項道路の一括指定を有効とするから、後続する通知には新たな権利義務の形成がない
⇒①一括指定には処分性を認めるべきでない、②認めたとしても本件通知も処分とすべき、と議論する
イ 処分性について
(ア) ①一括指定の処分性について
処分性の定義(ごみ処分場事件)⇒一括指定は国民に義務を直接課すので処分性アリ、というのが判例
But 一括指定は2項道路の要件を一般的に定めるにとどまり、個々の道路につき直接指定していない
国民に義務が生じるのはあくまで一括指定を前提とした個別の判断
∴ 一括指定は「直接」権利義務を形成しないから処分性なし
⇒2項道路指定はGの通知ではじめてされたといえ、通知は「処分」といえる
(イ) ②一括指定が処分だとしてもGの通知も処分である
確かに一括指定が有効とすればGの通知はその確認に過ぎない
But 一括指定は個々の道路の2項道路該当性につき利害関係人に明らかにしない
利害関係人がそれを知るのは個別の通知が最初
にもかかわらずこれに処分性を認めず、一括指定の段階で不服を争わせるのは酷
判例も観念の通知である税関長の通知に処分性認めている、同様の趣旨が妥当すべき
ウ 以上より処分性も満たすのでGの通知の取消訴訟を甲川市の普通裁判籍に提起できる(12Ⅰ)
(2) 本案における主張
ア Gの解釈の誤り
(ア) 本件通路部分と本件長方形部分を一体として評価した部分
Gは一体評価している、しかしこれは不当
2項道路の制度趣旨は都市環境の保全と土地建物所有者の既存の利益保護の調和
⇒2項道路該当性の判断は対象となる権利者との関係でされるべき
本件長方形部分はA及びその隣人2名の共有、Aの単独所有である本件通路部分とは権利関係が違う
本件通路部分は形状も台形、一件明白に長方形部分と異なり、用途・利用者の相違も明らか
⇒本件通路部分単独で評価すべき
(イ) 本件通路部分が2項道路該当性を満たさない
建築基準法42条2項は「建物が立ち並んでいる」道でないと2項道路としない
GはA・D・Eが立ち並んでいるとしているがこれは誤り、以下理由を述べる
同項の趣旨は法43条の厳格な接道義務と、道の周りの現状保護との調和を図るため、要件を付加したもの
建物が立ち並んでいない場合、そもそも現状保護すべき理由がないのだから、「建物が立ち並んでいる」文言は要件を絞るものとして解釈すべき
⇒「建物が立ち並んでいる」とは、接道要件を満たさない建物との関係で2項道路の指定を認めるための要件であり、そこにいう「建物」は接道要件を満たさない建築物に限られるものと解すべき
本件ではEしかそれに該当しないので、「立ち並んでいる」とはいえず、Gの認定は誤り
イ Mによる一括指定の違法
(ア) AはMによる新細則の適用自体を不服と考える⇒この違法をGの通知の取消訴訟で争えるか?
Mの一括指定が処分性有さないとすれば、取消訴訟で当然争うことができる
But 判例の見解によれば処分性があるので、その違法性は取消訴訟の排他的管轄に属し、出訴期間経過後は争えなくなる
But 先行する行政処分が後行の行政処分の前提となっており、先行する処分の時点で違法を争う機会が十分でなかった場合、例外的に違法性の承継を認めるべき
本件の一括指定はGによる通知の前提となる用件を定めている
一括指定の段階では個々の土地について争う機会が不十分
⇒違法性の承継あり
(イ) いかなる違法を主張できるか?
新細則=整備遅れた旧甲川市と異なり、2項道路該当性を厳格にすべきでない旧乙山町にも旧甲川市の規定を適用、その地方の土地の状況を考慮しない⇒建築基準法42条かっこ書の趣旨に反する
Mの当該指定には他に合理的理由なし
⇒裁量逸脱の違法

3 当事者訴訟
本件通知が処分でなくても、本件通知によりAは土地を安く売却せざるを得ない&セットバック義務負う⇒訴えの利益アリ
⇒セットバック義務の不存在確認を求める公法上の当事者訴訟を提起できる
本案での主張内容は2と同様

[設問2]
1 国家賠償請求における要件の問題
(1) 本件では2項道路指定の異邦を前提に、GまたはMの行為につき国家賠償請求(国賠1)をなしうる
(2) ここで、故意・過失と違法性の関係が問題となる
この点、行政行為は適法性の推定受けるので違法と過失を一元的に捉えるとの見解もある
But 国家賠償請求には違法性確認の機能もあり、これを重視すべき
∴ 違法性と故意過失は別個に解すべき
そして「違法」=公権力発動要件欠如

2 Gの本件通知の違法
(1) Gは建築指導課長⇒「公権力の行使に当る公務員」
(2) 設問1より、Gには違法がある
(3) 故意・過失はあるか?
2項道路該当性についての判断は一義的に明確ではない
本件通路部分自体は幅員2.0メートル以上
⇒Gの判断に全く理由なしとはいえない
∴ Gに故意過失なし
(4) Gの行為に基づく請求は困難
3 Mの新細則による一括指定の違法
(1) Mは市長であり特定行政庁⇒「公権力の行使に当る公務員」
(2) 設問1より、Mには違法がある
(3) 故意・過失はあるか?
旧乙山町について適用すべきでないとの批判強い、Mも認識していたはず
Mは選挙のために新細則を制定した疑いあり、これは故意を導く
選挙でも新細則の内容が支持されたものではなく、本件一括指定は市民の意思に基づくものともいえない
∴ Mには少なくとも過失あり
(4) AはMの一括指定の違法を理由に損害賠償を請求できる


消費時間 1:53
答案枚数 6.5枚


―――――――――
【反省点】
全体的に不出来です。本番だとやっちまった級だと思います。まぁ、今年の民法ほどではないでしょうけど…。いや、そのくらいか?
以下、主だった反省点です。

1.訴訟選択の誤り、あるいは誘導の誤読
誘導文では「一括指定は処分性あるというのが判例であり、もう出訴期間は経過している…」といった内容があったのですが、これは「出訴期間を経過しているので無効確認訴訟・公法上の当事者訴訟など考えよう」という趣旨だったと思われます。
しかし、解答中はこれを「処分性を認めた判例を批判していくのか」と読み間違えてしまい、それを中心に展開してしまいました。これは痛いです。流れに乗っていくべきでした。少なくとも、無効確認訴訟の可能性に思いを致さなかったのは致命的です。
ちなみに通知の処分性については、法律に根拠がないのできついと思われます。税関長の通知には法律上位置づけがありますが、建築課長の回答は完全に意見表明ですからね。この点でも無理のある構成をしてしまったということです。違法性の承継とか論じる余地が出てくるので、実りある答案になるかと勘違いしてしまったのですが、その先には不毛な大地が広がっていたわけです。

2.本案主張の整理の悪さ
Gの解釈の誤りについては、誘導文丸写しは気持ち悪いと思い、理由をつけようとしたのですが、そのせいで読みにくくなっている感もあります。あまり考えずに丸写しでもよいのかもしれません。行政法は自動販売機云々とか言ってませんしね。
Mの一括指定の違法については、適当に裁量逸脱と言ってしまいましたが、裁量の範囲の認定をした後で法律の趣旨、他事考慮など丁寧に論じるべきでした。正直あせっていたのでこの辺から粗くなってしまったのが残念。久々の4時間答案というのもありますが、これではいけません。

3.国家賠償法の要件の粗さ
国家賠償の要件論についてはほとんど忘れていたので、違法性と故意過失の関係以外の細かな要件についてはほとんど言及できず。
本件事案に即して、公権力性や損害などをきちんと指摘し、当てはめていくべきところでした。時間がなかったとはいえこれはひどいです。再度復習していけば何とかなるところだとは思いますが…。
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名前:眠れる豚
2009年度新司法試験で討ち死にしてしまったため、再チャレンジのために淡々と勉強してきた法務博士(無職)。2010年の試験では何とか合格することができました。

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