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再チャレンジ成功までの記録(4.具体的な学習方法・各論)

*長文なので注意してください
*正直に書いているので、恥ずかしいことも書いてある一方、不快に思われる表現・内容が入っているかもしれませんが、ご理解ください。また、試験に関する分析などはすべて私見なので正確性は保証できません。内容について信じるも信じないも自由です
*個人的には、自分のことを直接知っている人に生で話を聞くのが一番ためになると思っています。自分に合った勉強法を見つけるには、自分のことをよく知っていて、客観的に見てくれる人のアドバイスが有益だからです


4.具体的な学習方法(各論)
ここからは科目ごとのインプット・アウトプットに使用した教材などを書いていきます。短答対策は既に書いたことに尽きているので、基本的には省略しています。

4.1 民事系
§1 民法
民法は苦手な科目で、正直対策もさぼってしまった感はあります。もし今年落ちていたら、真っ先に民法をやり直していたと思います。

インプットとしては、まとめノートの作成をやっていたのですが、民法では基本書をまとめることはせず、類型別を基本としつつ、『要件事実論30講』や内田民法なども参考にして実体法の議論を適宜加筆するという形式でした。絶対出題される要件事実問題に対しては、実体法の解釈と関連させてきちんと指摘できるようにすべきだと考えたからです。もちろん、基本書をベースにしたまとめも作るべきではありました。おかげで家族法は散々でしたし、設問2小問2も問題の所在を外してしまいました。サボった結果はきちんと反映される試験です。
基本書によるまとめノート作成に代わってやったのは、『Law Practice 民法』(Ⅰ・Ⅱ全2巻)をざっと読み、解説を要約してテーマごとにまとめたということです。代替手段なのでインプット方法としてはムラがあることが否めませんが、知識の確認・整理には役立ちました。

アウトプットについては、『事例研究民事法』をやっていたのですが、役立つ設問もあればそうでもない設問もある…というところではあります。しかし、出題形式はともかく、総じてよい演習になったと感じています。
民法は要件事実も含めた知識の整理が最重要であり、インプット優先でよいのではないでしょうか。特に要件事実問題は、どういう要素を書くべきなのかを出題趣旨から研究し、それに合わせてインプット・アウトプットの対策を行うべきです。僕が気をつけたのは、単に条文から要件を切り出すだけでなく、実体法的説明も踏まえて記述すること、事実が複数の意味を持ちうることに気を付けること、時的要素を意識することの3つですが、直接事実と間接事実の区別などにもっと意を払うべきだったと反省しています。

§2 民訴法
民訴は新司法試験で最も理論的に難解で、対策も難しいような気がしています。こういう科目だからこそ、基本をしっかり押さえるということに気を付けたつもりです。

インプットに関しては、『民事訴訟法講義案 改訂補訂版』をベースにしつつ、高橋宏志先生の『重点講義民事訴訟法』を参考にして補筆していく形でまとめノートを作っていました。
講義案は殺風景ではありますがかなりよい本で、解答に当たって必要な知識はほぼ過不足なく入っているように思います。その上で重点講義ですが、実はこの本も注などに入り込まなければ分かりやすい本で、講義案のシンプルさを埋めて判例・学説の流れを理解するには好適の本だと思います。あと、ローで高橋先生に教わっていたという事情もあって、ノートが存在していたということも大きいです(ちなみに高橋先生は授業で「何か基本書一冊をしっかり読めばよい、論文とか読む必要はない」とおっしゃっていました。難しい科目でも、あまり手を広げる必要はないということでしょう)。その他、百選も一応1周くらいしています。
インプットに関する反省点としては、重点講義に入っていなかった内容のまとめが手薄だったということです。今年はその一つである処分権主義がモロに出題されてしまい、設問4小問2はかなりしょぼい内容しか書けませんでした。現在法学教室で連載が再開されているようですが、頑張って欲しいものです。

民訴のアウトプットに関しては、試験の水準がとても高いので、これも過去問で勉強するほかにはないんじゃないかと感じています。誘導の趣旨を踏まえて検討する方法や、要件事実的な理解を踏まえて答える必要性などを感じることができます。ただ、いずれにせよ難しいので、完全な答案を書きに行くのではなく、基本的な知識・思考をしっかり表現するということを目標にして書いていました。これは後でまとめておきます。
その他やったのは、勉強会で取り上げた『事例演習民事訴訟法』です。これは解説があっさりしていたり必ずしも試験を意識していなかったりということで試験対策向けかというと微妙なところもありますが、あまり考えてこなかった用語の意味など、基本的なところを確認するという意味ではよい本です。そういう基本的な理解の正確さが他の科目以上に問われるのが民訴という科目なのだと思います。

§3 商法
商法は民事系のなかでは一番対策しやすいような気はしています。論文で出題されそうな主要領域は限られていること、基本的な条文の理解をしっかりさせておけば多くの場合に対応できるからです。もっとも、現場で考えないと出題趣旨を完全に捉えることはできないわけですが、司法試験レベルの議論であれば、理解が難しいとか、範囲が膨大すぎるということもないので、きちんと対策すればそれなりの水準には達せるでしょう。

インプットに関しては、江頭先生の『株式会社法』をベースに、論文に出そうなところだけを拾って要約する形でまとめていました。分厚い本ですが、まとめるとA4に60ページくらいになりました。あとは、百選の記述などを適宜反映させたり、演習書の記述で参考になる部分を入れたりといったところです。
手形小切手・商法総則については、ほとんどまとめていません。手形の基本的論点だけシケタイから(!)拾ってきてまとめたのと、会社法でも出題されそうな会社登記などの問題について少しまとめたくらいです。

アウトプットについては、たまたま手に取った『ロースクール演習会社法』(中村信男・受川環大編、法学書院)を使用しましたが、これは結構よかったです。一通り論点をさらっているということ、解説が試験を意識しており分かりやすいことなどがその理由です。解説で触れてあった理由付けや、論述に当たって指摘すべき事項などは、ノートまとめに反映しておきました。
あと、京大で使用されているという『会社法事例演習教材』も一通りやりました。解説などは友人にもらっていたのですが、やはりひとりで解くものではなく、みんなで検討するものかなぁという感はありました。しかし設問の問題意識などはさすがに鋭く、よい教材であることは間違いありません。

4.2 刑事系
§1 刑法
不合格の年は刑事系がひどい点だったので、まずは刑法をしっかりやろうという一年でした。

インプットについては、山口先生の『刑法総論』『刑法各論』を要約してまとめノートを作成しました。110ページくらいになってしまいましたが、勉強になりました。論点を網羅的に、かつしっかりと理解するための作業としては、基本書をしっかり読んでまとめるというのが結果的に一番の近道だと感じています(なんだかんだいって10日くらいで終わりましたし)。あと、僕が東大出身だからなのかもしれませんが、山口先生の本は意外と読みやすいと思います。刑法が一冊にまとまっている山口先生の『刑法』(いわゆる青本)でもいいのでしょうが、二冊本の方が先生の問題意識や理由付けがしっかりしていて、まとめるには都合がよかったです。
あとは、西田先生の総論・各論も適宜参照しているほか、山口・西田両氏のロー講義の書き起こしも参考にしました。普段よく暴れている山口先生は、ローではとても無難な試験向けの授業を展開しています。出題もそういう姿勢であってほしいものです。
百選はそもそも持っていないこともあって読んでいませんが、重要な規範については、ローで指定された判例を別途読んだりして補強しています。そのレベルで重要な判例は基本書でも触れてあるわけですが。

アウトプットについては、『事例から刑法を考える』を勉強会でやっていました。この本は解説が若干ぶっ飛んでしまうところもありますが、基本的には受験を意識して解説してくれているし、問題の質はかなり高いです。一通りやればほとんどの論点が網羅されているということもあり、よい教材です。
しかし、現時点で最高の教材は何かということになると、僕の知る限りでは『刑法事例演習教材』ということになりそうです。勉強会の時点で出ていなかったので結果的に独習で答案構成だけやることになりましたが、問題の質・量の充実ぶり、そしてコンパクトながら解説の適切さを兼ね備えており、全科目通してもこれだけ完成度の高い教材を僕は知りません。これを真面目に全問書いて検討していれば、今年の問題でもより適切な答案を作成できていたと思います。

§2 刑訴法
刑訴法は論点が多めで、ボリュームの多い科目です。理論的な記述も必要だという話で、しっかり勉強していく必要のある科目といえそうです。

まとめノート作成にあたっては、ローの上級刑事訴訟法という講義の内容をベースにしています。この講義は『ケースブック刑事訴訟法』を教材として刑訴を一通り扱ったもので、東大ローで最も試験に有益な科目ではないかと思っています。一回目にしっかり復習して試験に臨まなかったことが悔やまれます。
僕の講義の担当は検察官出身の古江頼隆先生でした(現在は同志社のローにおられるようです)。昨今話題の捏造検事と違って紳士的な方で、非常に理論にも明るい素晴らしい先生でした。ちなみに講義内容については先生が法学教室316号~342号に演習を連載しており、それに近い内容が展開されています(まとめでも参考にしました)。個人的には極めて水準が高いものだと思います。また、同じ講義を担当されている川出敏裕先生の講義書き起こしなんかも参考にしています。

あとは、講義でも言及されていた酒巻先生の法教連載「刑事手続法の諸問題」(法学教室283号~306号)や『演習刑事訴訟法』(長沼範良・田中開・佐藤隆之・酒巻匡・大澤裕、有斐閣)などを読んでいます。特に酒巻連載は、基本原理についてしっかり説明してくれていて、論証の深みを増すのによいと思います。
また、刑訴については、息抜きも兼ねて論文をいくつか読んでいました。講義で指定されたもののうち有益そうなものに限ったので量はそれほどでもありませんが、一部はまとめにも反映しています。特に有益なものとしては、伝聞については大澤裕「伝聞証拠の意義」『刑事訴訟法の争点[第3版]』182頁、違法収集証拠排除法則について川出敏裕「いわゆる「毒樹の果実論」の意義と妥当範囲」『松尾浩也先生古稀祝賀論文集 下』515頁などが挙げられます。法学教室で不定期連載している「対話で学ぶ刑訴法判例」も参考になるものが多かったです。
刑訴については新しい判例から出題される傾向があるので、百選はもちろんのこと、重判もしっかり読んでおくのがよさそうです。今年も設問1はそうでしたが、僕は読んでいたものの適当になってしまい、外した内容を書いてしまいました。こういうところを抜かりなくやれなかったのは心残りです。

アウトプットについては、よい演習本が見つからなかったので刑訴については過去問だけですが、今はよいものがあるのかもしれません。
今年もそうだったように処理量の多い問題が出されるので、きちんと基本的な規範などを準備しておいた上で、それを適宜要約した形で書けるようにしておく必要があります。これは時間管理のトレーニングと、暗記ではなく基本的な考え方から理解するように努めるといった部分でフォローすべきことだと思います。刑事系は処理するという側面が強いので、書くべきところは書くとして、相対的に重要でない要素は流すという意識が必要な気がしています。

4.3 公法系
§1 憲法
憲法は知識量としては少なめで、勉強しやすい科目だと思います。というか僕もあまりやってません。どちらかというと、書き方のイメージを掴むことが大事な科目でしょう。
そのための教材として一番オススメなのは、『「憲法上の権利」の作法』(小山剛、尚学社)です。これは言ってしまえば、憲法の問題を解く枠組を解説したマニュアルで、受験生必読だと思います。ここに書いてある三段階審査、すなわち保護範囲→侵害→正当化の順序を守れば、外した答案にはならないはずです。
特に新司法試験では、いわゆる違憲審査基準(正当化)の前段階である、そもそも保護範囲内なのか、侵害があるのかといった部分(タバコパッケージ規制に関する消極的表現の自由の問題や、遺伝子に関するプライバシーの基本権としての位置づけなど)が山場だったりする出題があるので、三段階審査の考え方は論述のきっかけを作る上で極めて重要だと思います。ただ、14条の審査基準に関してはちょっと記述が不足しているような気がします。この部分は高橋和之先生の『立憲主義と日本国憲法』に分かりやすい説明があるので参考にしました。

以上が答案作成方法のマニュアルについてです。その上で知識として必要なことは、三段階審査の各要件の記述を構成する材料とでも言うべき「考慮要素」についてです。各基本権ごとの価値や性質、二重の基準や積極-消極二分論などの学説、判例が考慮する諸要素などを、①どういう事情があれば②どういう理由で③審査基準を高く/低くするのか(審査密度を高める/低めるのか)という観点でピックアップして、ネタとして仕込んでおくという感じです。
このための材料は、芦部先生の『憲法』と百選でほぼ事足りると思います。長谷部先生もそんなことを言ってたので、知識的にはそんなものではないでしょうか。大事なことは、上記3つの要素に着目しつつ、判例や学説の言っていることを事案に適用できるようにしておくということでしょう。そういう勉強をしていれば、事案の特殊性にも気づきやすくなるはずです。きちんとネタを仕込んで、学説への批判なども含めて違憲審査基準論を上手く展開できるようになれば、自動販売機だとか言われることもないんじゃないかとは思います。
個人的な反省点としては、もっと判例を読み込むという対策をやっておけばよかったと感じています。出題趣旨にもありましたが、選挙権について判例の要件を正確に出すということはできていませんでした。昨年公法でよい成績だった人のなかには、百選掲載判例の規範を全部丸暗記して、本試験でもそのまま書いたという方がいらっしゃるのですが、そのくらいやるのが正解なのかもしれません。少なくとも、判例を知っていることのアピールは有益でしょう。

アウトプットについては『事例研究憲法』を使っていましたが、解説が試験向けでないということもあり、あまり参考にならなかったかもしれません。むしろ、上で書いた「ネタ仕込み」の材料として活用していた感があります。
憲法については、過去問で書き方を研究するのが一番でしょう。特に、法令違憲と適用違憲の書き分け方(立法事実に関係する事実にかかっているか、その事案・適用対象だけに当てはまる事実にかかっているかで分ける)や、原告・被告・私見の論述分配のイメージなどは、憲法固有の書き方なので、事前にしっかり準備しておくべきです。

§2 行政法
行政法についても、あまり特別なことをやったという意識はありません。基本的な知識と判例を押さえて、あとは個別法を見て考えよう、という感じです。

インプットについては、櫻井=橋本『行政法』を元にしてまとめノート作りをしていました。これは内容が薄めのところもあり、それでも試験対策には足りるのだとは思うのですが、ローの授業でやっていた内容を適宜反映させて理論的な厚み(?)をつけていました。ただ、出題されることはなさそうな気はするので、若干趣味が入っていたことは否めません。個人的には塩野行政法が好きなのですが、試験対策用ノートまとめのベースにはちょっと違うと思ったので、参考として適宜織り込むに留めています。
行政法はあまり百選を読んでいません。宇賀行政法がたくさん判例に言及しているので、まとめに際してこれを参照することで済ませていました。そのかわり、百選判旨を要約した短答用の対策プリントを友人にもらっていたので、これを短答に向けて読んでいました。

アウトプットについては、『事例研究行政法』を用いてトレーニングしていました。これは良著で、解説も適切で問題もそれなりに試験を意識しており、一冊やればかなり力がつくでしょう。僕はやっていませんが、後半についている応用問題を勉強会でやるというのはよさそうです。
行政法の答案は誘導に乗れるかが最重要で、知識については訴訟要件の処理方法など誘導を理解したうえで展開すべきものなので、出題方式に慣れておくことが大切です。その意味で、事例研究だけでなく、過去問もしっかりと押さえて、書く練習をする必要があるでしょう。逆に言えば、書き方さえ押さえれば安定して点数が取れるはずなので、公法こそ他の科目に比べて予測可能性の高い試験ではないかと感じています。

4.4 選択科目(知財法)
選択科目である知的財産法については、勝負を左右するものにはなりにくいということもありますが、一応は対策しておきました。

まとめノートについては、法学教室で連載中の「知的財産法の重要論点」(大渕・茶園・上野・横山)や高林龍先生の『標準 特許法』をベースに、特許法と著作権法を一通りまとめました。中山先生の『著作権法』も辞書的に使いましたが、良い本だとは思うもののこれは受験向きでないです。
それから演習本として、田村善之編『論点解析 知的財産法』や 小泉直樹・駒田泰土編『知的財産法演習ノート』などをみていました。答案構成だけで解説を主に読んでいたので、実質インプットに使ったようなものです。『重点演習 知的財産法』というものもありましたが、これはいらなかったかもしれません。

選択科目は結局去年と同じくらいの点数で、特に進歩もなければ退化もしていないというところでした。ちょっと勉強したからか、無駄に難しく考えてしまったところなどもあります。いずれにせよ勝敗を決定付ける科目ではないので、それほど時間を割かずに準備すればよいでしょう。そういう意味で、年内にまとめノートを作って、あとは読むだけという状態でいられたのは、選択科目対策として経済的でした。

4.5 答案作成にあたって
以上が各科目の勉強方法ですが、このほかに、答案作成時の心がけを中心に、全科目を通じて気をつけてきたことを書いておきます。

§1 答案はイチから積み上げていく
第一に気をつけていたことは、司法試験の答案では「当たり前のこと」もきちんと書く、ということです。
これは昨年の不合格答案を見てもらって合格者に指摘してもらったことでもあるのですが、問題を考える上で当たり前のように処理している内容も、答案ではきちんと書く必要があります。これは理論的に難しい民訴などの科目で特に重要だと思います。
例えば昨年(H21)の民訴であれば、立証責任の分配方法や主張共通原則などの基本的な議論を書いた上で主張の成否について検討に入る必要があるし、今年(H22)の民訴でも設問3なんかは、当事者の確定があってはじめて訴訟代理の成否などが問題になります。判例なんかでは当たり前なので書かれないことや、感覚的に当たり前だろうと思う部分でも、きちんと書かなければならないのが答案という書面なのだ、という意識をもつように心がけました。
また、同じような意味合いとして、きちんと適用条文をあげるということも挙げられるのでしょうが、僕の場合はこの部分がちょっと弱かったような気がしています。

§2 趣旨から論じていく
第二に、よく言われることですが、必要なところではきちんと趣旨から論じようということに気をつけました。
これは伝聞ですが、山口先生曰く「基本書で当該論点のちょっと前に書いてある原理からきちんと書いてあると好印象」らしいですし(しかし一方で「法律論頑張って書いてもそんなに点数にならない」らしいのですが…)、そもそも行政法なんかは趣旨を論じなければ答案ができません。

ただ、何でもかんでも趣旨を論じればよいというものでもないでしょう。趣旨を論じるべきは、論点の理解を示すために書く必要がある場合と、知っている判例・学説では対応しきれない場合に限られます。この両者に共通しているのは、基本的な理解が前提になっているということです。趣旨から解釈論を論じるに当たっても、これまで勉強してきた内容から類推することが必要なので、やはりここでも基本的な積み上げは重要です。行政法の場合は個別法を見てのイメージプレイ的な要素がありはしますが、これも自分の知っていること(例えば今年の場合は住民自治の意義や競争入札が原則となっているという事実など)をスタートにすればはかどる部分もあります。
要するに、何でもかんでも趣旨で乗り切れるほど、司法試験は甘い試験ではありません(昨年落ちるまでの自分はそう思っていました)。逆に、趣旨から論じなければいけないという姿勢でしっかり勉強することで、理解が定着するという性質のものだと思います。きちんと勉強していれば、趣旨から論じる必要があるところで、気兼ねなく趣旨からの解釈論を展開できるようになるということでしょう。

§3 難しい議論は省いてよい
これは勉強の基本方針でも書きましたが、司法試験の本質は「みんなが書きそうなことをきちんと書く」ことであって、出題趣旨に問われていることをすべて書きに行くという夢(!)は捨てるのがある意味賢いと思います。出題趣旨に書いてある内容は、言われてみればその通りという内容で、力のある受験生なら全部書けるというように思えなくもありませんが、本番の緊張感や時間制限のなかで達成することは極めて困難です。

結果が出て自分でも実感しましたが、主要なテーマを1個2個外しても平均以上の得点は得られるわけで、一桁合格しないと殺されるといった特殊事情がないのであれば、最初から完全を望まないという姿勢が試験的に正しいと思います。たとえ期待される得点が下がったとしても、(少なくとも再チャレンジの自分にとっては)外してしまうリスクを取るより10回受験して10回とも合格できるような答案を全科目で揃えることが大事です。そうやっていると結果的にそれなりの点数が付くという試験でもあると思います。
以上の方針については答案作成時は言うまでもなく、日々の学習からその姿勢を貫くべきです。細かな学説を覚えていくとか、マニアックな論点を押さえていくという時間があったら、絞り込んだ基本的論点(どの教科書にも載っていそうなもの、もっと言うなら受験生がみんな知ってはいそうなこと――知っていることと書けることは違う)を何度も復習するほうがよいはずです。

答案作成時には、1科目につき答案構成は30分で、問題文を読んで論点を摘示するのはそのうち15分以内に限るというルールで、自分に縛りを入れていました。15分で思いつかない内容は他の人の多くも思い至らないだろうから、それよりも思いついた内容をしっかり書くということです。この縛りのせいで、会社法の損害論を最初に思いつかず落としてしまったということはありますが、試験全体で見ればこれが上手く働いたように思います。とにかく処理しきることが大事なので。
ただ、処理という側面から言うなら、答案パターンや処理手順の訓練はもっとしっかりやるべきでした。刑法なんかはその辺で損をしてしまった気もします。内容面では「基本を押さえる」という意識がありましたが、形式面にまで十分意識が及んでいなかったのは、受験生としてよくなかったです。

§4 事実の評価をきちんとする
みんなが書きそうなことを書く、ということをしっかり実践すると、答案構成や法律論の記述にかける時間が節約できます。高得点を狙う場合にはここでより細かい論点の検討などに入るべきなのでしょうが、僕はみんなが検討しているはずの事実面の記述をより厚く書くことを目指しました。事実の評価が重要であることは出題趣旨でも書かれていますし、事実に関しては書きすぎても外すことがないため、安定して高評価を狙えると考えたからです。
もちろん、論点の検討も同じくらい深くやれればそれに越したことはないのですが、そんな実力があれば去年受かってただろうということでその辺は割り切っています。何かを得るには何かを捨てる必要があるということです。

事実の評価については、最初に結論を考えた上で、その結論を妨げる事実をしっかり拾い、それを上回るような形で自分の結論に沿う事実を挙げるよう心がけたつもりです。特に、反対事実にきちんと言及するということは、必然的に自分の結論をしっかり論じることにもつながるし、必須だと思います。
事実の評価については苦手な人もいると聞きますが、そういう方はまず判例をしっかり読んでどういう要素が考慮されているのか自分なりにまとめてみるのがよいのではないでしょうか。あるいは、実務向けの事実認定本などを読んだりするのがよいのかもしれません。個人的には事実の評価が弱点ではないと感じていたので、そういう対策はしていませんが、演習などを解いているなかで事実の評価についてなるほどと思ったところがあった場合、一応チェックはしていました。
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行政法

質問させていただいてもよろしいでしょうか?

行政法の答案を書く際の問題の読み方についてです。

問題で、読まなくても支障がないと思われる部分を、どうやって判断されていたのでしょうか?
それとも、個別条文も含めて、全部読んだ上で解答されているのでしょうか?

また、解答の際に引用する事実を、どのように圧縮するか(短くするポイント)の技術(センス)を、どうやって磨いておられましたか?


私がプレ~H21まで行政法過去問を練習で書いてみると、
①事案の理解に時間が掛かり、
②重要部分の読み落としが発生し、
③起案中に使おうと思っていた事実が問題文の中からなかなか探せなかったり(印は打ってるのでけど)、
④使おうと思ってた事実の書き落としがあったり(時間がなく、忘却の彼方へ)、⑤誘導にうまくのれなかったりして、

行政法の答案があまりうまくかけません(旧試論文の経験はあるので、他の科目は、それなりに体裁は整うのですが…)

まだまだ勉強が足りないということなんでしょうか?(「事例研究 行政法」は1度読み終わってます。)
来年某ローへ行く予定です。

長文で失礼します

>popoさま
ご質問ありがとうございます。
期待に答えられるかは分かりませんが、自分なりに気をつけていた点などを紹介させていただきます。

行政法の問題を読むに当たっては、とにかく誘導が第一です。行政法は誘導に沿って解答できれば出題趣旨にほぼ100%答えられるからです。全てを読む必要はなく、書く内容を考える途中で必要になる部分を適宜参照すれば足ります(とはいえ一応使える部分があるかもしれないので余裕があればさっと目は通しますが、あくまで確認です)。

最初にある事案の概要はさっと読んで、どういう訴訟が行われようとしているのかを理解する程度にして、誘導文(会話などのパート)に早く入るべきです。その上で、誘導に乗って検討する中で、必要な法文や事実を必要なだけ見る、ということになります。
具体的に、popoさまが解かれた過去問のうち、僕も受験したH21の行政法で詳しく説明させていただきます(実際書いた答案もH21の再現分として載せてあります。再受験時ほど学習は進んでいなかったのですが、誘導に沿って書いた点は同様で、得点もそれを反映してそれなりだった科目です)。

まず事案をさっと読みます。この年の問題は、建築確認の取消訴訟です。建築確認の問題は行政法でよくあるもので(ローなどで判例ベースでやっていないとそこまでピンとこないかもしれません)、それなりに勉強している受験生だと、原告適格や訴えの利益、執行停止など本問で聞かれている事情が問題になることは予測できるところです。特に原告適格については、事案を読むだけでも、原告がF~Iまでいることから、メインで論じさせようとしていることが推測されるところです。
以上のような推測がすぐにできるなら、とりあえず行政法の基本的な理解はあるといえるのではないでしょうか。

事案に目を通したら、問題を一読して訴訟要件・本案と聞かれていることを確認したうえで、すぐに誘導(会議録)を読みます。論じるべき点が特定されていない時点で事案を精読するのは無駄だからです。
誘導を読むときには、違法事由など本案に関係する内容と、先ほど推測した訴訟要件に関係する内容を区別して読むようにするとよいです。そこで以下、これらを区別した上で、順序の関係で最初に本案から見ていきます。

会議録では最初に設問1で論じる本案について会話がなされています。違法事由については、項目としてあげるべきポイントと、それを支える事実を分けて考えます。本問では、最初のKの発言で(1)接道義務違反が、次に7ページ中ごろから(2)駐車場出入口が児童室出入口に近すぎること、それから7ページ最後から8ページ前半までに(3)説明会を開催していない点、の3つが違法事由になることが分かります。これを全て論じることができれば、設問2は完全に答えきったことになります。ここまでで設問2の大まかな構成の目処が立ちました。

そこで上記3つの違法事由を組み立てます。ここでは(1)を例に具体的な検討手順を示します。
まずは、関連法規から関係する条文を探してきます。(1)なら建築安全条例の4条ですが、委任元の建築基準法の該当条項も見なければなりません。そこに法の趣旨が伺えるからです。本問でも建築基準法43条2項には「避難又は通行の安全の目的」ということが書いてあります。
この趣旨から、本件建築物は法43条2項及びこれに基づく建築安全条例4条に実質的に反していると主張しなければならないのだということが分かります。
そのような見地から会議録で(1)について説明していた箇所を読みなおすと、遮断機のせいで防災上問題があるという主張があります。道路幅が不十分だということも書いてありますが、避難・通行の安全から道路幅が求められていることから推測すると、本件建築物がとても大きいのでその分条例の形式的要求以上に広い幅の道路がないといけないという主張も考え付きます(ただし、これは条例の規制そのものが不十分というやや苦しいものになります)。そこでこの2つを接道義務違反(建築安全条例4条違反)の理由として論じることになります。
また、解答に際しては、本件建築物が同条例4条2項により規律されること(従って6メートルの幅を要すること)、同1項により10メートル以上の接道を要することを指摘する必要があります。
(2)についても同様に、関連法規の確認⇒規制の内容(問題となりそうな文言)及び趣旨の把握⇒事案や誘導文の検討⇒規制内容に形式的に違反していないか/趣旨からして規制に実質的に反しているといえないか(法規を趣旨から解釈した結果違反といえないか)の検討、といった手順を踏んで書く内容を考えていきます。

(3)のような手続違反の事項の場合、手続違反の事実を法文(公聴会は行政手続法)や事案から拾ってきた上で、手続違反が取消事由に該当するかという議論もしなければなりません。これはお決まりの論点なので、事前準備があれば論じることは可能です。余裕があれば、事案に即して手続違反の重みを検討して結論に反映させることもできます。

以上のように、本案主張では原則として本番に誘導を読んでその場で書くことになるのですが、すぐ後で見るような行訴の解釈問題や手続違法の処理方法という論点もあるし、裁量論が問題になる場合にはその処理枠組も準備する必要があるので、そのあたりは事前の学習が必要です。
もっとも、H19の設問1(2)なんかは行訴10条2項の解釈論というあまり勉強しなさそうなものが出ているので、その趣旨を現場で想像し、裁決に関する個別法の仕組みを見て評価するという形になるので、現場での勝負になります。この場合、一通り勉強していれば、そういうものだと割り切ってその場で考えることができますし、他の人もあまり書けないだろうなと安心して流す余裕も生まれます。

最後に、設問2では「原告Fがいかなる違法事由を主張できるか」ということも聞いているので、これに対応する解答を考えます。勉強していればこれが行訴10条1項の問題であることは分かりますが、知らなくても行訴の条文を読めば見つけることはできるでしょう。
ただ、その意義については事前に勉強していないと書けないところもあると思います。原告適格と同じように理解すべき…という説明だけの答案が多くて残念だったと採点実感にありますが、取消訴訟の目的が個人の権利救済にあることを踏まえて「個人的利益に関係ある事項の主張に限って認めることで審理の無駄を省く」と理由付けも書けば評価はされるとは思います。もっとも、取消訴訟が行政の統制という意義も持つといえることや、9条2項が原告適格を拡大して国民の救済を測ろうとしている理由にも思いを致すと、10条1項は制限的に解すべきではないかという議論はあるのですが。このように考えると、Fは全ての違法事由を主張できることになり、それはそれで説得的な答案だと思います。
以上のようなことを勉強もしていないのに本番でさっと書くのは難しいので、こういう点は勉強しておこうということです。もちろん、普通の基本書には載っています(薄めの本である櫻井・橋本行政法にはコラム的に載っているだけですけど、それでも解答するには十分です)。

続いて設問1の訴訟要件についての検討です。これは会議録の後半部分に載っています。訴訟要件に関しては、事前に勉強してきた理解に基づく枠組に事実をどうやって流し込むかという勝負なので、処分性や原告適格といったメイン争点については準備で差がつきます。
本問の原告適格の場合、一つの枠組としては(1)行訴9条の解釈論(原告適格の定義ないし「法律上の利益」の意義)を論じる、(2)参照できる法令の範囲の認定、(3)参照した法令が保護する利益の認定、(4)原告の被侵害利益の認定とそれに基づく原告適格の判定(関連法規に基づく「法律上の利益」があるかどうかの当てはめ)、という順序で論じることになるでしょう。ただ、この年の僕の答案は(2)が意識できていなかったのですが。事前にきちんと処理枠組を用意してあるかどうかで解けるかどうかが違ってくるのだということです。
(2)と(3)では、法律を引いてきて説得的に議論する必要があります。法の趣旨を示した条項(たいてい最初にある)はもちろんのこと、規制要件や規制効果を示す条文から法の趣旨を推測することもできます。このあたりは僕の再現答案でもある程度は論じてありますし、面倒でなければ優秀答案などを見てみると参考になるはずです。
その他、訴えの利益や仮の救済についても、論点になる部分や各要件の意義については事前に準備しておいて、あとはそれを書いた上で当てはめて処理するだけです。
もっとも、今年の問題では住民訴訟の問題だったこともあり、訴訟要件についても地方自治法の解釈問題のような形でした。こういう例外もありますが、毎年そんな問題は出せないでしょうから、訴訟要件の分野についてはしっかり勉強しておくべきです。行政法総論に当たる分野(附款の効力や処分の撤回、瑕疵の治癒などなど)も出題される可能性はありますが、これも事前準備で対応すべきものでしょう。

解答で引用する事実については、以上のように法の趣旨やポイントとなる解釈論をしっかり押さえて書けば、自ずと短めになるのではないかと思います。なぜその事実を拾っているのかを意識していれば、どうでもいいことは書かないからです。もっとも、短ければよいというものではなく、事実を端的に摘示した上で(自分がそうなってるかは自信はありません)、それをきちんと評価する必要があります。これは他の科目も同じですが。
そういうわけで、事実を圧縮するトレーニングは特にやっていないのですが、友人に答案を見てもらうとか、人の答案を見る中でうまい表現は盗んだり分かりにくいと思ったものは自分でも気をつけたりするとか、そういうことは役立っていたと思います。

以上、長くなりましたので、特に検討方法について要約すると以下の通りです。
・訴訟要件についての出題は、基本的には事前に準備した枠組や要件解釈に沿って解答する。それら枠組に関連する事実を事案や誘導文から拾えばよい
・本案についての出題は、誘導文から違法事由を構成する問題点を挙げた上で、それら問題点のそれぞれについて検討していく
・違法事由の検討に当たっては、関係する法令のチェック⇒趣旨や問題となる文言の理解⇒事案や誘導文の検討⇒規制の趣旨・要件などに照らしての評価、という形で考える
・違法事由の問題でも事前に準備しておく要素はきちんと論点として理解しておき、それに流し込んで処理する

以上のようなことに気をつけつつ、あるいは事前に準備しておいたうえで、誘導を元に問題を検討していければ、解答に必要な部分を中心に事案を理解できるし、読み落としや書き落としも減るはずです。
もちろん、解答するにあたっては、問題提起から三段論法で解決する姿勢をとることは他の科目と同じです。行政法が他の科目と違うとすれば、三段論法の最初に当たる大前提の部分(法解釈)を現場で見つけて考える必要があるというだけです。そこで当てはめチックな検討をするので混乱してしまうかもしれませんが、慣れれば大丈夫です。

事例研究行政法はよい問題集ですが、参考答案は載っていないし、答案の構成などは書いてみて人に読んでもらわないと分からないので、書き方そのものを学ぶには別のアプローチが必要です。まずは、せっかく過去問を解いたのですから、その優秀答案を読んでみて参考にしてみてはどうでしょうか。予備校が出しているので大学生協の書籍部などに並んでいるでしょう。

No title

ご回答ありがとうございました。
早速、再現集を買いました。
管理人さまの再現&ご回答も併せて印刷させていただいて、これから、検討しようと思います!

勉強法について

以前お世話になりました、あおいです。
またいくつか質問させてください。

1 民法・民訴法の勉強について
 他の科目はゼミが充実しているのですが、民事系はゼミがなく、自分でやらなきゃと思いつつ、一番疎かになってしまっている科目です。
 特に、要件事実を意識した勉強できず、迷走しています。
 そこで質問なのですが、どちらも旧司のLIVE本を使いつつ、最新の過去問を織り交ぜながら、勉強していこうと思うのですが、何か注意点があれば教えてほしいです。民訴法では、適時藤田先生の解析民訴法も使っていきたいと思っています。あとどちらも百選は読んでいくつもりです。
 全く違う民法・民訴法の注意点などでもかまいません。なにかありましたらご教授ください。

2 答案構成について
 私は答案構成が苦手です。
 ほとんど項目だけあげて、ぐちゃっと書き出してしまっているのが悩みです。
 もちろん、完璧な答案構成をしたいというのはないのですが、ある程度の答案構成をしなきゃなと痛感しています。
 眠れる豚さんはどのような答案構成をなされていましたか。なにかありましたらご教授ください。

3  刑法事例演習教材について
 現在ゼミでみんなで答案を書いてきてゼミをしています。
 ただ、筋もちがったりして、かつ、自分が答案構成が下手なことから鍛錬するために、まとめを兼ねて答案構成をしようと思います。
 このような勉強はありでしょうか。また注意などがあればご教授いただきたいです。

忙しい中たくさん質問してしまってすみません。お時間のあるときに回答いただけたらありがたいです。
どうぞよろしくお願いします。

質問への回答

>あおいさま
以下、質問への回答です。
例によって私見にすぎないので参考程度にしてください。

民法・民訴法の学習方法
旧試験の問題は、民法に関しては新司法試験で問われている法律問題への対策として意味があると思います。答案をフルで書く必要はなく、答案構成(どういう法的問題があって、どういう形で処理するか…という概要)を書くので足りると思います。僕はそのようにしていました。もちろん、新司では長文事案から問題点を抽出したり事実評価を行う必要があるので、その対策は別途必要ですが、法律論をしっかり議論できれば、残りの部分は慣れが大きいです。
民訴の旧司論文は、新司と形式が違うし、新司の民訴はかなり高度な内容を聞かれているので、旧司過去問での演習が適合的かというと微妙かもしれません。ただ、藤田先生の解析民訴と併用すれば、理解を定着させるという意味で役立つということはあるでしょうが。新司民訴はとても難しいのですが、そこで必要となるのは結局のところ基本概念や判例・通説の正確な理解なので、そういうことを念頭において演習するのがよいと思います。

要件事実との関係では、民法については聞かれるパターンが決まっているので、そのあたりを過去問から分析して、きちんと答えられるようにしましょう。僕が気をつけたことはこの記事に書いてあります(4.1§1)。あと、最近修習に備えて読んでいる『完全講義 民事裁判実務の基礎―訴訟物・要件事実・事実認定』(民事法研究会、大島眞一)の説明はかなり分かりやすいので、立ち読みしてよさそうなら読んでみるとよいかもしれません。高いですが。
要件事実的な考え方は、民訴の問題でもかなり問われています。過去問を解けば分かるのですが、何が主要事実であり、問題となっている主張が事案との関係でどういう法的意義をもっているのか、その主張立証責任はどうなっているのか…ということが問題分析のポイントになっていたりします。民訴の教科書を読む際にも要件事実や主張立証の規律という視点を意識するとよいかもしれません。

答案構成について
僕の答案構成は、最初の15分で論じる内容を決め、それから項目立てなど構成を整理して答案の骨組みを作り、残りは事実評価の細かい部分や法律論の理由付けなどを考えていた感じです。一般的な「答案構成」は最初の15分+構成整理に当たると思うので、そこを説明します。

事案や問題を読みながら、気になる部分や論点が想起されます。すると、その都度それを構成用紙にとりあえず書きつけ、条文がある場合はその条数(と、六法ですぐ引けるように頁数。本番の六法にはしおりがあるので要らないのですが)やポイントになる文言も書き付けておきます。小問形式だったり、刑法のようにパターンが決まっていて流れが分かりやすい場合は、この段階で論述の順序に合わせて書いています。ここまでが論じる内容を決めるところです。
書く内容が一通りあがったら、あとはそれを整理しなおします。ここでは、答案につける番号(第1→1→(1)→ア…というものですね)やラベルを書き、そこでだいたいどういうことを書くのかを書き込んでいきます。細かく書き込むのは後のほうで、先にラベルなどを完成させて骨組みを作ります。

骨組みをきちんと書くのは、何を書こうとしているのか自分でも分かるようにするというのと、話の切れ目をしっかりさせて読みやすくするためです。
読みやすさというので一番大事なのは、違う話に入っているところではきちんと項目を分け、できればラベル(見だし)をつけるということです。単に番号を振るだけでなく、そこで「Aの責任」とかそういう見出しが入るだけで、読みやすさは違ってきます。
どういうときに項目を分けるかは好みによると思いますが、問題提起が大きい場合は問題提起とそれに対する解釈・当てはめは番号を分ける(この場合にそれぞれにラベルをつける必要はないでしょう)し、そうでもない場合は改行で済ませてよいでしょう。このあたりは優秀答案なんかを読んで自分なりのイメージを掴むとよろしいのではないでしょうか。

刑法事例演習教材について
この教材は非常によいと思いますが、解説がやや淡白なので(とはいえ触れるべき点についてはほぼ触れている)、一通り刑法を学習していないと分かりにくいかもしれません。筋が違うのは当たり前ですが、どうして違ってくるのか、そこに一応の理屈があるかどうか(特に判例通説との関係で。先例のない論点も結構ありますが)ということが分からないと、取り組むには早いのかもしれません。その辺は基本書を読み返しつつ復習すればカバーできるので、それでもよいとは思いますが。
答案構成を改めて行うというのは、非常によいことだと思います。僕は逆に答案構成だけで済ませてしまったのですが、答案も書いて、そのあとでもう一度復習も兼ねて答案構成をするというのは、さらに効果的でしょう。

非常に感謝しております

迅速で丁寧で詳細なコメント本当にありがとうございました。

私の中でまた暗い悩みの迷路の中で光のような指針がたてることができました。

どれも非常に参考になりました。これから是非勉強に活かしていけたらと思っています。

本当に本当に感謝しています。今回もありがとうございました。
プロフィール

眠れる豚

Author:眠れる豚
名前:眠れる豚
2009年度新司法試験で討ち死にしてしまったため、再チャレンジのために淡々と勉強してきた法務博士(無職)。2010年の試験では何とか合格することができました。

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