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再チャレンジ成功までの記録(3.具体的な学習方法・総論)

*長文なので注意してください
*正直に書いているので、恥ずかしいことも書いてある一方、不快に思われる表現・内容が入っているかもしれませんが、ご理解ください。また、試験に関する分析などはすべて私見なので正確性は保証できません。内容について信じるも信じないも自由です
*個人的には、自分のことを直接知っている人に生で話を聞くのが一番ためになると思っています。自分に合った勉強法を見つけるには、自分のことをよく知っていて、客観的に見てくれる人のアドバイスが有益だからです


3.具体的な学習方法(総論)

3.1 学習の基本方針
基本を固めるという目標のためには、継続して勉強するという当たり前のことをきちんとやる必要があります。僕はこれまでそういう継続的な学習ができていなかったので、そういう習慣を作ることが第一だと考えました。

そのための方法としては、日々の目標をきちんと決めるという典型的な方法を実践しました。目標の立て方として気をつけたのは、(1)勉強時間ベースではなくやるべきことベースで目標を立てること、(2)一日ごとに細かく定めるのではなく期間を設けて柔軟にやること、の2点です。

(1)については、きちんと勉強するということと時間をかけるということは別物で、時間目標にこだわると時間ばかり気にして中身がおろそかになりがちだと考えたからです。また、僕は反復的な学習を長時間できる性格ではないように感じたので、長さではなく質(中身)を重視して勉強するのがよいだろうという判断もありました。
(2)については、目標を立てるのが目的になってはいけないからあまり神経質になってもしょうがないというのと、やはり日々の気分などで勉強に乗ってくるときとそうでないときがあることは否めないので、そのあたりを調整しながらやっていけるようにしようという意図によります。

これらに従い、とりあえず年内(2009年)の最低限目標としては、7科目+選択科目のまとめノートを一通り作ること、事例演習民事法・憲法・行政法を全部片付けること、短答の問題集を1周解きなおすことの3つを定めました。そこから考えると、だいたい10日で1科目ノートまとめを行い、事例演習は1日1~2問、短答問題集は1日100問くらいといった感じで、勝手に日々のだいたいのノルマが決まっていきます。
結果としては、勉強していた時間は、おそらく平均すると1日5~6時間くらいだと思います。その他、何となく基本書を眺めたりする時間も多少ありました。これを多いと見るか少ないと見るかは人によるでしょうが、少なくとも僕のこれまでの過ごし方からすると結構な量になります。ただ、ストイックだったとか、猛勉強したというイメージでないことは確かです。
これ以上学習量を増やすことも不可能ではなかったでしょうが、無理なくやることが最終的な結果につながると思うので、サボるのではなく、かといって焦るのではなく、淡々と自分の決めたノルマを守って、それをこなしたら息抜きもするといったスタイルで日々を過ごしていました。これは、前に書いた「上位合格を目指さない」という一種の割り切りからもきていて、無理なく試験までを目指すことが合格に向けて一番安定するだろうという判断をしています。実際、合格した友人の多くは、勉強もしっかりやってはいたものの、それなりにゆとりをもって過ごしていたように思います。

継続的な学習を行うにあたっては、このブログも大いに役立ちました。このブログを立ち上げたのは、日々の勉強記録を残すことで動機づけにしようということでした。最初は単純な記録として自分だけのために書いていたのですが、少ないながら読者がいらっしゃるということを知ってからは、読者の方々に恥じないように学習しなければという気持ちを持つことができました。その意味で、読者の皆さまには大いに助けられました。

学習内容については、とにかく基礎を固めるということに集中しました。これは2つの意味があって、第一に「まずはみんながやっていそうな教材を押さえること」、第二に「難しすぎる内容は適宜切り捨てていくこと」に気をつけました。理由は不合格原因の分析で述べたとおりです。
特に気を付けたのは、第二の部分です。後で触れる勉強会などでは、法律的に難解な論点が議論になったりもしますが、そこで法律論を詰めるのではなく、そうやったら無難に処理できるかという観点で学習するように心がけ、マニアックな学説はとりあえず脇に置くことにしました。実は、このように割り切った方が、結果として難しい論点への理解も深まるようにも思います。
教材選択については、後で科目ごとに記しておきます。

3.2 主な学習内容
§1 論文用のインプット
まずは昨年落ちた原因である論文対策からはじめました。最初にすべきことは、全科目を体系的に学びなおすということです。今思えば冗談のようなことですが、不合格だった一度目の受験に際しては、全科目について頭からしっかり勉強していくということはなく、定期試験対策で細切れに勉強していたり、気まぐれに基本書を読んだりしただけだったので、ムラのない理解とは程遠い状況にありました。

そのための方法としては、先輩の薦めもあって、各科目のまとめノートを作成する方法を採りました。この方法のよいところは、情報を集約することでその後ずっと使える教材ができあがるということもさることながら、まとめを作るためには最初から最後まで体系的に内容を押さえる必要があり、したがってまとめノートの作成自体が科目全体の復習になるということです。
というわけで、あまりに量が多かった民法を除いて(これはまぁ言ってしまえば妥協です…)すべての科目で、基本書の要約に近い形でまとめ作業を行うことになりました。詳しくは科目別の学習内容として後で述べますが、この作業はとても勉強になりました。大切なことは「自分でまとめる」ということです。実はそんなに大変な作業でもないので、自分の普段の学習に自信がない人は是非一度やってみてはどうでしょうか。普段からコツコツ勉強できている人は、こういう作業がなくても別の形でまんべんなく勉強できているのでしょうけど。

論文対策としてのインプットは、ほとんどがまとめノートによるものでした。演習書などから適宜よさそうな解説などを拾ってきてノートに織り込んだりもしていますが、とにかく基本的な論点を押さえるということに注力しています。年明け以降は、論文向けインプットはまとめノートの通読と百選などの判例回しがほとんどでした。結果的には、まとめノートの内容だけで本試験はほとんど対応できたと感じています。

§2 論文用のアウトプット
論文対策のもう一つの要は、アウトプットの練習です。ここでは、独りよがりの答案を書かないこと、みんなが書きそうなことに的を絞ることを中心にしています。

最初のうちは、文章力が危なかったのではないかということで、事例演習の問題を普通に書いていました。その後、自分の弱点が別のところにあると分析した以降は、フルで書くのは時間配分などのトレーニング用にとどめ、多くの問題について答案構成の作成にとどめることでこなす数を増やす方向にシフトしました。
答案構成のポイントは、自分がきちんと論点を拾えているか、余計なことを書いていないかということのチェックです。もちろん、形式的に論点に触れているかどうかではなく、適切な形で法解釈や事実評価をしているかということも重要ですので、答案構成は毎回割と詳しくしています。実際に紙には書かないとしても、書くとしたらこういうことを書くかなぁ…というイメージをしてから、解説を読むようにしていました。

アウトプットの練習としては、後で触れる勉強会や予備校の答練も役立っています。これらの機会でも同様に、みんなが書きそうなことをきちんと書くという意識をもって取り組みました。そのおかげか、予備校答練では点数が割と安定していた気がします。

§3 短答対策
短答対策は正直好きではない作業だったので、正直追い込みが足りなかったと思います。
具体的にやったことは、短答問題集と肢別本を回し、間違えた肢をピックアップしてまとめ、それを覚えるという作業です。年明けはほとんど誤答肢まとめを読んで短答対策にしていました。
これのいいところは、問題を解くのはだるいけど、出題される可能性がそこそこ高くて、かつ他の受験生がやっている一般的な勉強を最低限抑えられるという点にあります。しかし、この方法だけでは、8割以上の得点を取りに行くのはちょっと不足していたように思います。

僕は短答については論文に精神上響かない出来が確保できれば良いと考えていたので、上述の対策にとどめましたが、問題集や肢別の傾向だけでは解けないような問題も出題されているように思われるので、そのあたりは地道に条文判例を読むべきでした。判例六法や条文判例本のようなものを読み込むということです。
判例六法については刑法の判例部分だけ読んでいましたが(これは有益)、条文判例をしっかり押さえれば全体的にもっと安定しただろうと思います。

僕は2回目受験なので短答についてはあまり問題視していませんでしたが、初めて受験されるかたは、まずは問題集なり肢別本なり過去問なりを各科目一冊こなして、短答でどういうことが聞かれるのかを体感したうえで、基本書や六法などを読んでいく作業に移るとよいかと思います。短答の切り口を知ってから条文などを読むと、見え方が違ってくるからです。あとは、どれだけ読むかということでしょう。やればやるだけ高得点に近づけるはずです…と友人は言っていました。8割以上の高得点を狙うという意味では、僕はちょっとやり足りなかったです。

3.3 勉強会
ひとりで勉強を続けるのは精神的にも大変だし、人と理解をすり合わせることで自分が変な方向に行くことを避ける必要があるだろうということで、勉強会を組めればよいと考えていました。そんな中、声をかけてくれる友人が何人かいたので、2つの勉強会に参加することになりました。

1つ目の勉強会は、新司論文の過去問を書いて検討するという勉強会でした。学部の同級生や、僕と同じく不合格だった人など、僕も含めて4人の勉強会です。答案検討だとこれ以上人が増えると大変かなぁという感じです。
具体的な内容としては、1週間に1回、事前に決めた年度の一法系について答案を作成してきて他の参加者に配り、読んだ上でひとりづつ感想などを述べつつ検討するという感じです。検討に当たっては、出題趣旨や優秀答案などを参照しつつ、法律論で外れている部分がないか、論点落ちがないか、構成や表現で分かりにくい点はないか、といったことを見ていきます。ここでも注意したのは、無駄に法律論で議論するのではなく、どうやって書けば効率的か、何を書くべきで何を省いてよいか、といった観点で見るということです。
この勉強会は、過去問演習のペースメーカーになり、一通り過去問をやったという自信につながったことと、人の答案を見る中でいろいろと参考になったということの2点で、勉強になりました。他の人の答案の良い部分が参考になる部分もあるし、逆にあまりよく書けていなかったり分かりにくかったりしたような部分を読むときでも、どうしてそう思うのかということを説明したりする中で、自分にとっての教訓を見つけることができます。自分の答案だとそういう見方がなかなかできないので、こういう経験は大切だと思います。もちろん、参加者から自分の答案に向けられるコメントも、たいへん参考になっています。

2つ目の勉強会は、演習本を解いてその答案を検討するものでした。これも学部の同級生でローの後輩に当たる友人や、僕と一緒に落ちてしまった友人の計4人で組んでいます。最初に『事例から刑法を考える』(島田聡一郎・小林憲太郎著、有斐閣)を一通り解き、次に『事例演習民事訴訟法』(遠藤賢治著、有斐閣)を終わらせています。
刑法の方では、週1回2つの問題について担当者を定め、担当者が参考答案を作成してきて、それを元に議論するという感じでした。解説が難しいということもありましたが、論点はかなり網羅できていて、答案にするにはどうすればよいかという観点からいろいろ議論ができてためになりました。文書偽造罪の答案構成方法とかは人の書き方を聞いたりする中で自分なりにイメージがつかめましたし、今年出題された過失犯の書き方についても、この勉強会でやっていたから書きやすかったです。
民訴については、参考答案方式をやめ、週1回3問くらいを解いていって検討するという感じでした(何問か関係なさそうな問題は省いている)。正直期待はずれ感のあった教材ですが、要件事実的な考え方も踏まえて基本概念から確認するよい機会になりました。人の答案を見ると自分では気づかなかった視点が見えるし、自分の答案について指摘を受けることで自分の弱点が分かります。そして何より、他の人に質問したり、質問に自分が答えたりする中で、単に知識として知っていた学説や処理方法について具体的にイメージし、理解を深めることができました。

結果としては、最初の勉強会では僕も含めて4人中3人が合格し、2つ目の勉強会では4人全員が合格していました。1人不合格が出たのは残念なことではありましたが、それでも全体としてお互いに力をつけることができた、意義ある勉強会だったのだろうと思います。前の年の勉強会も僕以外の受験者は合格していたのですが、僕は勉強会の成果をフィードバックできていませんでした。今年は勉強会自体に自分なりの目的意識を持っていましたし、勉強会で気づいたことをまとめノートに入れるなど、できるだけ形として残すことを意識していました。

3.4 予備校の答練
予備校の答案練習は、昨年に引き続いて辰巳の答練を第2クールから受けていました。これも答案を書く練習のためで、ここでも無難さを追求していきました。点数にばらつきが出ないようにするということを目指しており、前の年に比べれば得点は安定していました。

答練の問題の質についてはいろいろ議論があるようですが、本試験の水準を満たすような問題を作れるわけないので、最初からそのようなものは求めていません。試験終了後にバイトの募集があることからお分かりのように、問題を作っているのは受験生です。大学教授や弁護士が監修などはしているのでしょうけど。
大切なことは、少なくない受験生が同じ答練でトレーニングしているということであって、そこに何を求め、何を得るかというのは、結局のところ本人次第でしょう。

予備校の答練では、書きにくい処理パターンの問題があったときには、自分なりに処理方法を考えて整理したりしていました。また、単純な論点知識についても、解説を読んで納得できた部分はノートまとめに反映させたりしました。ただ、正直なところ学説が古い記述などもあるので、そのあたりはローの授業などで話されていたものを優先させています。試験委員(候補者)の言うことに従え、ということです。
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本当に参考になります。ありがとうございます。」

コメントありがとうございます

>2年生さま
コメントどうもありがとうございます。
ただ単に自分のやってきたことを書いただけではありますが、参考になったのであればうれしいです。2年生だとおそらく再来年の受験になるかと思いますが、頑張ってください。

まとめノート詳細について

はじめまして。
本年度司法試験合格、おめでとうございます。

私は、この春にローを卒業し新司法試験を受験しましたが不合格、来年の合格を目指している者です。
来年にむけて勉強法を確立すべく、合格者の方のブログを探していて、眠れる豚さんのブログにたどり着きました。

詳細な勉強法の記事、大変参考になります。
貴重な情報を記事にして公開してくださって、本当にありがとうございます。
日々言い知れぬ不安に襲われる中、道しるべを見つけたようでとても勇気づけられました。

私は、敗因分析の結果、各科目の知識を体系的に学び直す必要があると判断しました。
その手段として、まとめノート作りはとても有効だと思うのですが、まとめる対象が膨大なために時間がかかりすぎてしまうのではと踏ん切りがつかずにおります。

昨年の9・10月の記事を拝見しますと、眠れる豚さんはとてもスピーディにまとめノートを作成しておられます。
そこで、実際に作成されたまとめノートの①形式と②記述の程度につき、もう少し具体的に教えて頂けませんでしょうか。

①形式は、「教科書の要約のような形で」とありますが、教科書のように、制度趣旨→定義・条文→論点(判例・学説の整理)といったような流れで、不要な記述を省いて短くまとめるといったイメージでしょうか?

②記述の程度に関しては、たとえば論点であれば、答案にそのまま書ける形(問題提起→規範)でまとめ、反対説不要と判断した論点では反対説はがっつり省く、といったイメージでしょうか。

過去の記事を全ては読めていないので、すでに紹介して頂いていたとしたら申し訳ありません。その場合は、記事の所在を教えて頂ければと思います。


修習の準備等でお忙しい中、大変図々しい質問で恐縮ですが、
お時間がありますときにお答え頂けたら嬉しく思います。
宜しくお願い致します。

参考になれば幸いです

>kikiさま
どうもはじめまして。
質問などありがとうございます。以下、お返事です。

1.形式について
科目によって参照した基本書が異なるので自ずとまとめ方(教科書要約度が高いか、あるいはアレンジが多くなるか)は違ってきますが、基本的には基本書の構成(目次立て)に沿って項目を立て、それぞれの項目について説明を書くという形をとっています。

記述については、制度の説明(民事系だと多い)については制度の概要や趣旨+条文(基本は条数のみ。六法は自分で引く)を書いています。論点的なところについては、問題提起(問題の所在)→法解釈・規範といった普通の流れです。
論証パートのように論点だけ抽出してまとめるのではなく、教科書のように一通り記述しつつ、論点となっている部分については項目を改めてまとめるというイメージです。

2.記述の程度
記述については、論点の重要度もあるので濃淡はありますが、それなりに厚めに書いていると思います。答案でそのまま書くことを想定しているのではなく、必要性に応じて書けるように理解することを目標としたので、反対説も含めて、自説に至る流れ(必然性)のようなものが分かる程度の分量をまとめています。
ただ、あまりに細かい反対説や、関連する細かな学説などについては、注釈のような形で、ポイントを落として項目の最後につけています。これは神田会社法のようなイメージです。

ちなみに関連して反対説を答案で展開する必要性についてですが、僕は基本的には不要だと思っています。法律論としての山場に当たりそうな部分(今年の商法でいう「払込無効の場合の株式発行の有効性」のように著名な判例がなかったり、昨年の刑法における「預金の占有」のように結論を大きく左右する論点など)や、あえて判例と違う見解を採る場合、あるいは自説の理由付けが反対説の不都合を理由としている場合など以外で、無駄に法律論を厚く書く必要はないでしょう。そもそも法律論の配点はそこまで高くないし、あるとしても薄く広くと考えられるからです。
とはいえ、反対説を理解する必要がないとは思いません。学説の対立は自説を理解する前提ですし、どういう出題があるか分からないし、現場思考が一定程度要求されるところ、いろんな考え方を持っていることは発想の材料として有益だからです。

3.実例
まとめノートのすべてを紹介するのは分量上無理ですが、例えば今年憲法で出題された生存権について、まとめた内容を一部載せておきます。
再現答案と比較すると分かるように、僕は答案でこれをそのまま書いていません(出題形式上当然ではありますが)。答案を書くなかで必要だと思ったら、適宜自分なりの理由付けを加えたりもしています。そういう意味で、まとめノートは覚えるものではなく、知識を補充した上で自分の理解を整理するために作ったといえます。

――――――
10 生存権
10.1 憲法25条の意義
10.1.1 25条1項と2項の関係
 憲法25条1項は、「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と定める。これは、社会権の原則規定であり、健康で文化的な生活を生存権として保障するものである。
 この趣旨を達成するため、2項では、生存権の具体化のために努力をする義務を定めている。ここから、2項が国の積極的防貧施策についての努力義務を定め、1項はそれにもかかわらず落ちこぼれたものに対する事後的個別的な救貧施策をなすべき責務を定めているという1項・2項峻別論が主張される(これによれば、救貧施策についてはより強く求められ、厳格な司法審査がされることになる)が、判例はこのように解さず、1項と2項を一体のものとしてみている。

10.1.2 生存権の2つの側面
生存権侵害の主張には、①国に対して現存している社会福祉立法や社会保障制度を通じて、人間らしい生活を営むことをできることを法的権利として要求する社会権的側面の主張と、②国民が生存権を確保する目的で国家の積極的な政策介入の排除を主張する自由権的側面の主張の2つがある。

10.1.3 生存権の法的性質
 生存権は、国の積極的な配慮を求める権利であるが、具体的な請求権ではない。そこで、25条の定める生存権が国民にいかなる請求を可能にするのか、特に社会権的側面での請求との関係で、その法的性格が問題となる。
 この点につき、25条は国民の生存を確保すべき政治的・道義的義務を国に課したにとどまり、個々の国民に対して具体的権利を保障したものではないという見解(プログラム規定説)もある。たしかに、生存権の内容は抽象的で不明確であり、25条を直接の根拠にして生活扶助を請求する権利を導けるという見解(具体的権利説)は採りがたい。しかし、それを具体化する法律があれば、その法律と憲法25条を一体として捉え、生存権の具体的権利性を論じることは可能と解される抽象的権利説)。
(*)判例はプログラム規定説を否定し、具体化された法律について裁量の逸脱濫用があれば25条違反になりうると認めている。これは抽象的権利説を取るものとも解しうるが、権利という視点ではなく、憲法により課せられた国家の客観法的義務として25条を理解しているとも見える

(以下省略)
――――――


以上、回答になります。不十分な点があれば遠慮なくコメントください。
今はどうしても不安になってしまいますが、やるべきことを積み重ねていけば、昨年と比べての成長も感じられ、再受験者なりの自信がついてくると思います。kikiさまの来年の成功を願っております。

ありがとうございます!!

迅速でかつ詳細なご回答、ありがとうございました。

疑問に思っていた点は全て解消されましたし、
眠れる豚さんが作成されたノートのイメージを、とてもよく掴むことができました。
参考にさせて頂き、できる範囲でノートを作成してみたいと思います。

>不十分な点があれば遠慮なくコメントください。
ありがとうございます。
実際に作成していく中で疑問点が生じた際には、
是非また質問させてください。

>今はどうしても不安になってしまいますが、やるべきことを積み重ねていけば、昨年と比べての成長も感じられ、再受験者なりの自信がついてくると思います。kikiさまの来年の成功を願っております。

心強いお言葉ありがとうございます!
今は、勉強するたびにバラバラだった知識が結びつく感覚があり、
日々楽しんで勉強できています。と同時に、落ちて当然だなぁ・・と反省する日々です。
残り7カ月で、合格できる実力をじっくり養いたいと思います。

お忙しい中、本当にありがとうございました。
寒くなってまいりましたので、お体お気をつけてくださいね。

本当に参考になります。

はじめまして。ikeと申します。勉強方法を探していて、たどり着きました。有意義なことが書かれていて、本当に参考になります(特に、求める方向性はシンプルで、みんなが書きそうなことをきちんと書く点)。眠れる豚様、お忙しい中、ご迷惑をおかけいたしますが、教えていただけないでしょうか。「みんなが書きそうなこと」をつかむ方法を教えていただけないでしょうか。お手数をおかけいたしますが、何卒、よろしくお願いいたします。

コメントありがとうございます

>ikeさま
参考になったとのお言葉、ありがとうございます。

「みんなが書きそうなこと」の基準を言葉で定義することは難しいのですが(「書きそう」ということ自体が想像ですので)、一つの目安としては、定評ある基本書や百選などの基礎的参考書、多くの受験生が使用している演習書などで頻繁に出てくる論点がそれに該当すると考えていました。
これを考える際に気をつけるべき方向性は2つあります。第一に「本当はみんな知っているのに知らないものだと甘く考える」ことへの注意、第二に「書けなくてもよいのに無理して(ひけらかしのために)書いてしまう」ことへの注意です。

第一の点は、「受験勉強」をしっかりしろという当たり前の話です。
不合格だった年は、模試で問題を解いていて「こんなの書かないだろ普通」と思っていた論点が多かったのですが、実はそれは自分が知らなかっただけ、ということがありました。
例えば、刑法240条後段[強盗殺人]に殺人の故意がある場合を含むかという論点が出されたのですが、僕は全く知りませんでした。これは、学部での講義では特に触れてなかった(と思います。というのはノートしか読んでいないので)し、ローではそんな細かいことやらないので知らないわけですが、後で友人に聞くと「それは知ってるだろ」といわれましたし、本試験でも簡単に触れてはおくべき議論だと思います(大展開はもちろん不要です)。
こういった具合で、いろんなところで「お前が知らないだけ」という問題がたくさんあったので、とりあえず基本書を体系的に一読するということをまとめノート作成によって行い、濃淡はあれど一通りの論点の存在を認識できました。

第二の点は、一通り勉強を終えた上で、意識的に注意すべきことだと思います。
特に授業が無駄に高度だったり先生が授業内容を偏らせている場合にはありがちですが、特定の議論について妙にいろいろ書けてしまったり(誤解も含む)、書きたくなってしまうということが出てくる場合があります。僕の場合性格的に気になった点に時間をかけたくなるところもあるので、それも当てはまります。
「書けなくてもよい」かどうかを判断する一番簡単な方法は、結論を出すに当たって必要かどうかということです。これは当たり前に思えますが、人間は知っているとついいろいろ議論したくなるので、横道にそれてしまいます。判例通説が存在しているのに無駄に高度な反対説を書くのは原則不要です(ただし実益があれば別。H18の会社法の問題は、事情譲渡の要件について判例を批判する学説に基づく議論を検討すべきオーラが事実から出ていますし、出題趣旨もそのように指摘しています。上位答案を見ると全然そんなことやってないのですが、これくらい書けてもいいはず)。
以上から分かるように、一通りのことを勉強して、普通の問題の処理方法を理解していれば、あとは淡々と解く姿勢をとることによって自ずと余計なことは書かなくなるはずです。少なくとも僕自身はある程度そのようになったと思っています。さらに言うなら、問題演習を重ねて、ある程度自分の書くペースや時間配分がつかめてきたら、書くべきだし書ける内容の中で配分を考えたり、書くべき内容のうち優先順位が低いものをあえて省いて処理を急ぐといったことも考えるべきだし、僕も不完全ながらそういう工夫はしたつもりなのですが、これもまずは一周きちんと勉強してからです。

以上、要約すると「一般的な教材で一通り勉強する」という、答えになっていないような答えになってしまいましたが、僕なりの回答です。
「みんなが書きそうなことを書く」というのは、『みんなが書きそうなこと』の内容そのものが大切なわけではなく、一通り学習したという結果と自信を前提にして、普通に考えたらどういうことを書くのか、こんなこと書く必要があるのか…と自問する姿勢、それから外れるものについては勉強事項から省く思い切りといった、精神的なところに力点を置いた僕なりの表現だということで理解していただければ幸いです。
もちろん、自分のイメージがぶれていないか客観的に確かめることも必要です。それは予備校などの「多くの人が受けている」問題だったり、勉強会での友人とのやり取りだったりするのですが、いずれの場合も、それ自体がぶれている(マニアックすぎる出題だったり、変に細かいところに凝ってしまう勉強会だったり)リスクもあるので、その点も自分で適宜判断して考えていかなければなりません。

ただ一つ言えることがあるとすれば、普通の教科書に触れてある事項をきちんと理解していれば合格点には余裕で届くということです。
いわゆる上位ローの合格率が高いのは、(先生には申し訳ないですけど)講義内容が発展的だからといったことではなく――むしろ試験的には足を引っ張っている――、ある意味割り切って基本的なことをしっかりやっているから、そしてそれで大丈夫だという自信を周りの受験生・合格者から得ているからだという気がしています。もし「こんなこともやらないとダメなのだろうか」と不安を感じておられるのだとしたら、「代表的教科書に載ってないような内容だったら知らなくても困らない」という割り切りの上で、絞り込んだ内容をしっかり学習するという姿勢で大丈夫なのだと思っていただければよろしいでしょう。

的確なアドバイスをしてくださり、本当にありがとうございました。

眠れる豚様、お忙しい中、的確なアドバイスをしてくださり、本当にありがとうございました。「一般的な教材で一通り勉強する」を徹底させていただきます!! お忙しい中、ご迷惑をおかけいたしますが、2点、教えていただけないでしょうか。お手数をおかけいたしますが、何卒、ご指導の程、よろしくお願いいたします。

Q1.択一対策で、勧めの教材等がございましたら、教えていただけないでしょうか(問題集等)。

Q2.「問題文の事案→この条文を適用」がスパッと出てきません。良い対策がございましたら、教えていただけないでしょうか(論文&択一)。

あまり自信はありませんが…

>ikeさま
それほど得意とはいえない内容についてのご質問で、参考になる回答になっていないおそれがありますが、一応お答えさせていただきます。

Q1:択一対策について
この記事の短答対策の部分に書いた以上のことはやっておりませんし、そんなによい点数でもないので何ともいえないのですが、一通り問題演習をやったら択一用六法(予備校の出している、判例や過去問の情報などをまとめたもの。どれを使うかは好みによるのではないでしょうか)や判例六法で条文と関連知識を覚えていく作業を重ねれば点は上がるのではないでしょうか。

択一に関しては、論文対策を順調に進めていて、その上で適当な問題集や肢別本のようなものを一周回せば、脚きりはまずないレベルまで得点できるようになるはずです。
模試や過去問を解いてみて脚きりを確実に免れるレベルにはあると感じたら、後は択一でどれだけの点数を取りたいのかという目標に応じて、上記作業を重ねるということになるでしょう。
僕が回したのは、早稲田セミナーが出していた問題集(在学中3年生の春に買ったので最新版ではない)と、辰巳の肢別本、商事法務のタクティクスアドバンスをそれぞれ7法です。タクティクスは難易度が低いのでやるなら最初にやるとよいでしょう。それぞれ、誤った肢はまとめておき、印刷して最後に覚えこみました。

Q2:事案への適用条文を導く方法
正直本試験でもうまく行かなかったところなので、アドバイスを差し上げられるような立場にはないのですが、反省も含めてコメントさせていただきます。

基本的には、基本書などを読んで普通に勉強する過程で条文を引くくせをつけることが大事なのだと思います。僕は面倒くさくなってしまうところがあって流していた部分もあるのですが、これはよくないです。条文に親しんでいれば、「こんな条文あったよなぁ」と思ったときにすぐ該当部分を引けて、確実に適条に行き着くことができるはずです。
この点で僕が今年の本試験に失敗したのは、民事大大問の設問2前半で、担保物件を滅失したので弁済期が到来するという根拠付けの条文があっただろうとは思ったのだけど、担保物権の部分だけをずっと探していて見つからず、総則にある期限の利益喪失の条文(民137)を挙げられなかったということです。
基本書を読みながら引いてある条文を読み、周辺の条文も確認する(短答演習とかでもそういうことをする)というくせがついていると、自然に条文に親しめるようです。僕の友人でそういうマメな勉強をしている人がいて、当然ながら一発合格していました。そこから学べなかったのは残念というほかありません。

その上で、解答に当たって条文をさっと探す解答上のポイントとしては、今何を処理しているのかということを考えるということが大事な気がしています。
条文を正確に引く必要性が高いのは民事系ですが、そこでは「請求をする場面」や「抗弁・免責などの反論をする場面」、それから「権利関係の整理・処理をする場面」といった感じで分かれます。解答をしていく上で、今自分がどの場面を考えているのか、条文を引く必要はあるか、ということを意識しつつ解いていくと、きちんと条文をあげるようになれると思います。もちろん、その前提としては、基本的な論点や条文の所在について、インプット・アウトプットを通じて勉強している必要があるでしょうが。
特に、最後の「権利関係の整理・処理」という場面については、条文をあげ忘れがちです。これについては慣れる部分もあるでしょう。例えば、会社法で複数の人間に責任を認めた場合には連帯責任についての会社430条を挙げるべきですが、これは一度問題を解いていれば思い至るところです。学習の際に意識的に注意していく必要がありそうです。

あと、解答時に引いている条文の周囲を見渡してみるということも大切かもしれません。なかなかそういう余裕はできませんが、条文の見落としは防げるでしょう。
僕は会社法の問題で虚偽記載に関する任務懈怠推定の条文(429条2項1号ロ、ハ)を挙げられませんでしたが、これは429条を落ち着いて見渡していれば防げたはずです。法律問題は条文からスタートするのであり、条文だけは手元にあるのですから、もっと大切にすべきだったと反省しています。

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プロフィール

眠れる豚

Author:眠れる豚
名前:眠れる豚
2009年度新司法試験で討ち死にしてしまったため、再チャレンジのために淡々と勉強してきた法務博士(無職)。2010年の試験では何とか合格することができました。

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